Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「Go Toは麻薬」の意味

 函館は僕ら夫婦の大好きな街、今年も3度行った。駅前のアットホームなコンドミニアム「ステラ・サイト」には、僕らの北の別荘といってもいいぐらい馴染んでしまった。今年は特に「COVID-19」騒ぎで「Go To Travel Campaign」があって、2度優遇を受けた。宿泊料金割引だけでなく、11月の滞在では地域クーポンまで貰った。

 

 今「Go To政策」は不評なのだが、その主旨は「人の移動を促進し、旅行者の気を緩ませ、感染を地域に拡大している」というものだ。その主張がどれほど正しいかは措くとして、実はこの政策は別のリスクも抱えている。ある観光関係の有識者が「Go Toは麻薬」と発言したのを小耳にはさんだ。

 

 どういう意味かと言うと、「Go To 割引」が無くなった時点で大幅な需要の落ち込みがあるというのだ。確かに今だけと思って一度も行ったことのない高級旅館に泊まった人が、割引が無くなった後もリピーターになってくれるとは思えない。また「十分行ったから、しばらく旅行はいいや」という人も出てくるかもしれない。要は偽の需要を創り上げたり、実需要を先食いしてしまうということ。

 

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 一度それを味わうと常習化しやすいのが「麻薬」、上記の割引も急にはなくせないので政府のCampaignが終わっても、旅館の方が自前で「出血割引」をすることになるとの意味だ。そんな危惧がもう現れたのが、函館市の施策。

 

函館市が「函館の冬割」 宿泊料半額や2,000円分のグルメクーポン配布も - 函館経済新聞 (keizai.biz)

 

 「Go To」が終わる2月始めから3月一杯、宿泊料半額を市の予算でやるという。確かに冬季は観光客もあまり来ない時期、実際僕らも2月に滞在したことは一度しかない。しかし「Go To」が継続されても、半額セールはするとある。仮に一泊1万円の宿泊をしたとして試算してみた。

 

・「Go To割引」で、6,500円に

・市の半額セールで、3,250円に

・地域クーポンが1,500円付くので、実質1,750円に

・市独自のグルメクーポンが2,000円付き、実質-250円

 

 あれれ、実質支出がマイナスになってしまった。もちろん現地で他の支出(レストランなど)もするので、地元にお金は落ちる。そこまでしなくてはならなくなったのは、やっぱり「麻薬」の歪みだと思います。