Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デフレ克服の第一歩?

 日銀の黒田総裁によれば、現状は「容認できる範囲の円安」なのだそうだ。かつての「1$=120円」に近づいているのに、少し呑気(もしくは強弁)のように思う。確かに昔は円安になれば輸出型産業(特に製造業)の業績が上がり、景気が良くなった。しかしいくらかの製造業はもう日本では生産していないし、円安効果は期待できない。むしろ輸入品の価格が上がることの方が良くないし、日本人の多くが持っている資産は円建てなので、それが目減りするリスクの方が大きいと思う。

 

 だからエコノミストの中には「ゼロ金利政策廃棄、緊急利上げ」を要求する声もある。僕にはしごく「まっとうな政策」に見えるのだが、「まっとうな政治」を掲げた政党はじめ、誰も総選挙ではそんなことは言わなかった。

 

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 金利が上がれば「円」への期待も高まるから、円買い⇒円高になりやすい。ゼロ金利で苦しんでいる金融機関への助けにもなる。ただ借金を背負っている人(&企業)には重荷になるので、政治的にはいいづらいのかもしれない。

 

 ずっと「デフレからの脱却」と言いながら「ゼロ金利」を続けてきたのは矛盾にも見えるのだが、目標の「デフレ克服」は政策に拠らなくてもできるかもしれないと思えてきた。それは石油その他輸入材料が高くなって、コストアップ型のインフレが見えてきたから。ガソリン価格の高騰で悲鳴を上げている人も多い。そして「身を切る改革」で業績を黒字転換していた「吉野家」も、ついに値上げに踏み切った。

 

吉野家が牛丼並39円値上げ 食材高騰、新価格426円 | 共同通信 (nordot.app)

 

 10/29、僕はまた神谷町駅に降り立った。13時を回っていて、ランチをと考え「吉野家」に入ろうとした。「ニク(29)の日」だしね。ところが店内に待ち行列が見える。隣の「日乃屋カレー」は空いているのに・・・。

 

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 でも最後の株主優待券を使いたかったので、満員の「吉野家」に入り、ちょっと待って席に着いた。定番の「牛丼並」を食べ、300円の優待券と87円の小銭で支払いをしたのだが、帰ってからこの記事を見て驚いた。僕が店を出て、2時間後には426円になっていたらしい。

 

 写真の387円のレシートは、非常に貴重なものになったわけだ。400円越えに嘆きの声も聞かれるが、僕が学生の頃でさえ牛丼は400円していた。いよいよデフレ克服の第一歩でしょうかね。