Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

大学・大学院は研鑽の時期

 今年の「大学入試共通テスト」の2日間にわたる試験が終了した。<オミクロン株>の急増で、試験現場や受験生には大きな負担がかかった。加えて初日は大雪と寒波、2日目は海底火山噴火による津波と、心配させられることも重なった。

 

 極めつけは初日の東大キャンパスでの、受験生を狙った傷害事件だ。3人が負傷し、その場で取り押さえられた容疑者は17歳の高校2年生。ナイフのほか、火炎瓶も所持していたという。未成年のこととて氏名公表はされないが、愛知県の私立東海高校の生徒だったことは報道された。高校は「コロナ禍で学生間や教師と学生の間に分断が起き、このような事態をまねいた」と釈明の声明を出したと聞く。

 

 容疑者は「東大医学部を目指していたが、思うように成績が上がらず、自暴自棄になった」という主旨の供述をしているらしい。東大医学部って偏差値が高いうえに90人しかキャパのない狭き門。そこに入れそうもないから「自暴自棄」というのは、とても理解できない。

 

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 高校生から見れば「大学入試」は、今そこにある大きな壁であることは確かだ。しかし「壁」はもっとたくさんあって、4年後には大学院へ進むかどうかの選択肢がある。これまでも僕自身が大学院で学んだことでためになったことや、進学したゆえに就職で苦労した(特に女性の)悩みをご紹介した。今回、大学・大学院卒で平均給与がどう変わるかの調査報道があった。

 

大学卒と大学院卒の微妙な差…進学の意味がない日本、低学歴化の危機(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース

 

 この記事によれば、日本の大学院進学率は減少傾向、大学卒と大学院卒の年収の差は150万円程度と(投資した割には)微妙。このままでは日本は「低学歴国家」になると警告している。このデータは正しいと思うが、大卒・大学院卒での社会での役立ち度に大きな差はないと、僕は実感している。だから進学率が下がっても年収に大差が無くても、違和感はない。

 

 東海高校というのは、僕のころから「愛知県下で最高の(学業&費用)私立高校」、僕など受験もさせてもらえなかった。小学校の友人のひとり(お金持ちの子)が中学校から東海中学に入り、高校に進学した。進学校ゆえのストレスがあったのでしょうが、大学・大学院時代はまだ研鑽の時期、社会に出てからが本当の勝負です。そういうことを教えてあげられなかったのでしょうか?