Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

恩納村の山を切開き(前編)

 今回の沖縄出張の主目的は、北部恩納村にある「沖縄科学技術大学院大学(OIST)」を訪問すること。沖縄自体には10回以上来ている僕だが、嘉手納より北に行ったことは3度しかない。美ら海水族館が1回、あと2度は仕事で名護市に行っただけだ。

 

 正直「遠い」という印象しかないのだが、恩納村の山岳地を切り開いて造った先端的な大学院大学というものには、多少の興味はある。事前の情報では、

 

 ・ノーベル賞級の学者を海外から多く招いて教授としている。

 ・博士課程(5年)のみで、教官も生徒も学内の宿舎に住んでいる。

 ・講義もゼミも、全て英語で行われる。日本人の学生は多くない。

 

 というものだった。僕も大学院の研究室時代英語のゼミは毎週経験したが、苦痛だったことしか覚えていない。それでも今よりは英語力はあったかななどと思いながら、国道58号線を北に向かった。嘉手納町までは見慣れた景色、しかしそこからは徐々に緑が濃くなり時々左手に青い海が見える。

 

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 那覇を出発して約1時間半、カーナビが入れと指示した坂道を上がっていくと大学に入ることができた。立体駐車場含めて広い駐車スペースがあるのは、公共交通の不便さを物語っている。受付はこちらとある案内版に従って行くのだが、かなりの距離がある。クリークや急斜面が多く、建設機械がうなりを上げている。住居や保育園のような設備もある。地下道の入り口のようなところに受付があった。

 

 受付で案内してくれる人と落ち合った。こちらが中央棟と研究棟ですと示されたのは長い地下道、実はこの上を天然の川が流れていて、天然記念物を含む希少生物が暮らしている。その生態系に悪影響を与えないように、地下道方式にしたという。

 

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 吹き抜けのようなところに出て、エレベータで上階へ上がると急に視界が開けた。青い海にビーチ、そこに向かって流れる小川、その上に立つレンガ色の建物群である。中央棟の周りにすでに研究棟が3つ建設済み、第四号棟はもうじき落成し、第五号棟の建設が始まったところだという。研究棟へは吊り橋のような回廊を渡っていく。

 

 案内してくれた人は日本人だが、最初に紹介されたのは身長2mほどもある白人のファカルティ。大学そのもののCIO(Chief Informaton Officer)を兼務しているという。

 

<続く>