Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

中部圏住みたい街の第三位

 尾張一宮という街は、濃尾平野の中心地にある。名古屋市は平野の中心というよりは、長良・揖斐・木曾三川の河口のエリア。本当の真ん中は一宮だという誇りがあって、銘菓「ど真ん中」という土産物もある。「はだか祭り」で有名な国府宮は、尾張の国では三番目の三ノ宮にあたる。あくまで一番は一宮市にある真清田神社だ。

 

 まあ誇りだけは高いのだが、戦後復興の基幹産業である織物業は、日米繊維交渉などでいじめられ、その後は中国・アジアの安い産品に押されて左舞いになった。零細織物業(通称ハタヤ)が多く、ハタヤの旦那は昼間っから喫茶店通い。これが一宮に喫茶店が多く、モーニングセットに茶碗蒸しが付いてくるような文化を育てた。

 

 僕はこの街の中心地で生まれ、生家の近くには自民党副総裁になった江崎真澄事務所や、後に首相になった海部俊樹事務所もあった。ただ僕の学生時代には、すでに不況の波が来ていて、街全体に元気がなかった。地元の一宮高校に進学したが、ここもOBで有名な人と言えば政治評論家の田中直毅氏だけ。

 

    f:id:nicky-akira:20210830102700j:plain

 

 名古屋市内の大学に進学したのだが、そこでは尾張一宮出身者は典型的な田舎者扱い。特にサークル付き合いのあった有名女子大の娘たちには、全く相手にしてもらえなかった。

 

ダイバーシティを知らなかった頃 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 に書いたように、本当の富裕層は名古屋市内の中心地に豪邸を構えていて、その「上級市民」の中でだけ交際や縁談を進めていたからだ。その街を離れてもう20年近くになる。記憶も薄れかけていたのだが、面白い記事が目に留まった。ある調査で、中部圏の買って住みたい街ランキングに一宮市が入ったという。それも年々順位を上げ、名古屋の上級市民エリア(中区・千種区)に迫っているという。

 

中部圏の「買って住みたい行政区」ランキング! 3位「一宮市」、2位「名古屋市千種区」、1位は3年連続で?(All About) - Yahoo!ニュース

 

 名古屋市中区栄の繁華街ではなく名古屋駅を基準に考えれば、千種駅一宮駅も所要時間は10分ほど。それでいて、付近にはまだ田園や緑のエリアも多い。高級ベッドタウンとして復権してきた故郷には拍手を送りたいです。

 

 まあ、僕が戻る(引っ越す)ことはないでしょうがね。