Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

データ戦略TFの活動(3/終)

 まずは経済・社会的に有効な分野やデータを見つけて、データ標準化や流通ルール、契約のひな型作成、そして効果の評価法などを確立していくことが重要だ。データ戦略TFではこれらを含めたベース・レジストリ整備の推進を図り、まずは整備ロードマップを作成するという。

 

 データベースの整備に当たっては、公的機関が保有していてすでに公開されているものを使いやすくするのが手っ取り早い。具体的なものとして、個人(厳密な個人情報ではないと思う)・法人・土地・建物・資格などの社会的な基本データが挙げられていた。なかでも多くの人達に利用されるもの、災害時に役に立つもの、社会・経済的に効果の大きいものから整備し、世に問う(実際に使ってもらう)ことになろう。

 

 スケジュールとしては、何をベースレジストリに指定するかや主要なデータ標準の整備、データ品質管理フレームワークの評価などを、内閣官房総合IT担当室で3月末までに実施するとある。この種の話の難しさを知っている僕にとっては相当なスピード感で、菅政権の本気度(官僚へのプレッシャー)がよく理解できる。

 

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 「DATA Driven Economy」時代が来たことを痛感している一部経営者は拍手するだろうし、協力も惜しまないはずだ。しかし問題はそれ以外の人達、社会的なデータ活用など意識にもない経営者・企業人には困ったものだが、それでも競合他社がそれでもって発展したり、株主等からの圧力があれば彼らは考えを変えるだろう。しかし個人にこれを理解・実感してもらうには、まだ時間がかかる。

 

 TFには個人情報保護委員会もメンバーとして参加しているから個人情報の活用についても議論されるのだろうが、極端な意見を言えばいかに「個人情報」といえど公共の福祉に使えるデータはどんどん利用すべきだと思う。例えば「COVID-19」でのクラスター発生箇所やそこにいた可能性のある人たちの属性などは公表し、新たな感染拡大阻止につなげるようなことだ。

 

 「個人情報」というと保護の話ばかりで、利用者側も腰が引けるのは事実です。しかしここはもう一歩進めて、個人の権利を十分に守ったうえ(ここが難しいこともあるが)で「利用拡大⇒社会・経済効果」につなげて欲しいです。ある種の業界が栄えることで多くの人に好影響があることは、逆の例だが「COVID-19」の休業要請などで分かりましたからね。