Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

函館山の一番広い坂

 函館は、坂の街だという。ただそれは函館山を囲む一帯のことで、函館駅前や五稜郭周辺、市役所・日銀支店周辺はほぼ平地である。この地形の成り立ちは、函館山側例えば「ガーデンハウスCHACHA」あたりから見るとはっきりする。最初は五稜郭のあたりまでが陸地、函館山は海に突き出た火山島だったのではなかろうか。

 

 長い年月の間に、陸地から函館山に向かって砂州が伸びてきて、ついにはつながった形状をしている。つまり今の函館駅前も、市役所や日銀支店などもその砂州の上に建っているわけだ。だから函館山から市街地方面を見ると、右も左も海で真ん中に街の灯りが見える「100万ドルの夜景」になったのだ。

 

 函館山のふもとを、先ごろ紹介した十字街の電停で二股に分かれた市電の線路が行く。西は「函館どっく前」、東は「谷地頭」までの間に、多くの坂が函館山に向けて登っていくのを見ることができる。その坂の中で一番広いのが「二十間坂」。十字街と末広町の電停のほぼ中間にあり、鉄路から函館山寄りが「二十間坂」と呼ばれる。鉄路から市街地寄りは「開港通り」というこれも立派な中央分離帯のある大通りになって函館駅方面に向かう。

 

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 「二十間坂」の方は、左手に「五島軒本店レストラン雪河亭」を見、右手に真宗大谷派東本願寺函館別院を見て、函館市元町配水場に向けて登っていく。余談だが函館山の伏流水は良質で、ビールやウィスキーなどの醸造にも好適だという。もちろんこの水資源なかりせば、函館という街の発展は難しかったと思う。配水場の隣には、山頂に上るロープウェー乗り場もある。写真は「二十間坂」のふもと市電の鉄路から、東本願寺別院越しに山頂の展望台を写したもの。

 

 東本願寺の向こう側に「チャチャ上り」という狭くてきつい坂があって、その上に以前の定宿「ガーデンハウスCHACHA」があった。そこに滞在していたころは、特に意識することなく何度も通っていたこの坂、ふと通りかかっただけなのだがなぜか懐かしく、しばらくたたずんでいました。