Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ボーフィン潜水艦博物館(後編)

 前部魚雷室の後ろは指揮所、潜水艦映画ではメインの舞台をなるところだ。操舵席もあるし、潜望鏡もある。ここも意外と狭い。その後ろは士官室。唯一個室が与えられる艦長室にしても、カプセルホテル2室分くらいだろう。副長(XO)ほか5名の士官は大部屋で、非番の時はもっぱら士官食堂(個室居酒屋の1部屋くらいのもの)で過ごしていたらしい。

      f:id:nicky-akira:20190422175135j:plain

 兵員の居室は3段ベッド、これさえ交代で使っていたという。さらに進むと、機関室。GM製の16気筒ディーゼルエンジンが4基あって、これが水上速力20ノットをもたらす。さらにGE製の発電機も2基積んでいて、まさに「Made in USA」である。観光客が歩けるのは上層階だけだが、当然その下にも空間がある。機関室では床が透明アクリル板になっていて、覗くことは出来る。
 
 そして後部魚雷室に行きつき、艦内ツアーは終了。後部甲板に出て、5インチ砲や40mm機関砲を見ながら下船した。まさに戦うフネであり、虚飾はない。見ての通り、デジタルっけも全くない。水中排水量約2,000トンにメカをぎっしり詰め込んだすきまで、人間が暮らしている印象だった。帝国海軍は「贅沢に慣れた米国人に、窮屈な潜水艦など扱えない」と侮っていたというが、大きな間違いだったことは歴史が証明している。

    f:id:nicky-akira:20190422175057j:plain

 当時の潜水艦はいわば「可潜艦」、潜ることも出来るということで、通常は水上をディーゼルで航走しながら電池を充電する。襲撃されたり、目標に近づくと電池を動力にして潜航する。子供のころ好きだったマンガ「サブマリン707」には、こんなスタイルの「ドン亀」潜水艦が登場した。その中を歩けたのは興味深かったし、隣接している潜水艦の歴史を伝える博物館とともに、面白い体験をさせてもらいました。