Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

再燃する「ロックダウン議論」

 先週NHKの7時のニュースが中継した菅総理の長い記者会見、政府分科会長の尾身氏が同席し、言葉を選びながら「もっと強い措置、私権制限も含めて」検討すべきと主張した。首都圏はじめかなりの地域に緊急事態・マンボウが広がっている現状で、それより強い措置といえば「ロックダウン」のことかなと思った。

 

 そういえばしばらく前から感染症専門家や医師会幹部などから、それを匂わせる発言はいろいろあった。翌日の新聞には、尾身会長の発言のその部分は載っておらず、そのまま消えていくかと思っていたのだが・・・。

 

 今度は全国知事会が「帰省や旅行を控えて!」とする緊急提言を出し、その中にロックダウン的手法の検討が盛り込まれていた。そして感染爆発とも言える状態の沖縄県では、医療界・産業界・自治体の三者が共同で緊急メッセージを出した。

 

「ロックダウン相当」 新型コロナで沖縄県の医療界、経済界、自治体が共同メッセージ - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト (ryukyushimpo.jp)

 

1)今後2週間の外出、集会をしない

2)県外・離島との往来をしない

3)ワクチン接種を推進

 

 の3点を主張し、セルフロックダウンともいえる措置だと言い添えられていた。

 

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 これに対しては、Yahoo!のコメント欄に厳しい意見が並んでいる。要は「観光客には来てくれと言いながら、住民には縛りを入れるダブルスタンダードだ」というもの。これに似た話は、感染拡大が始まった静岡県でも起きている。伊豆ではオリンピックの自転車競技が有観客(!)で行われるし、首都圏等からの観光客がやってくる。そこに川勝知事が「不要不急の外出禁止」というものだから、やはり反発が強まっている。

 

 ただ知事たちの危機感は非常に強く「ロックダウンを検討」ということは、大きな意味を持つ。革新系知事も多い中で、憲法違反とも思える「ロックダウン」を求めるのは意外だった。昨年都知事が初めてこの言葉を使った時、学界はもちろん政府やメディアも「憲法上できない」と切って捨てていた。

 

 憲法に「緊急事態条項」がないのが改憲のポイントになっていることは、何度か紹介した。「COVID-19」禍で憲法改正の意見が出た時、立憲民主党は「火事場泥棒のようなもの」と非難している。しかし今度は全国知事会の発議です。議論が始まることを期待します。