Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

麻雀という賭博

 あきれた結末である。「コロナ禍」の最中に国会を揺るがせた検察庁法改正案、芸能人まで「参戦」して反対を表明しついに今国会での成立を政府があきらめた。本当は黒川検事長の定年延長はすでに閣議決定されていたのだが、盛り上がってしまった世論は、公務員を含む労働組合に支援されている野党が望む、公務員全体の定年延長も葬ってしまった。

 

 理論上関係ないとは言っても、黒川検事長個人の処遇に世論が(感情的に)怒った結果である。その元凶ともいえるご本人が、その国会論戦の最中に「賭け麻雀」をしていたというのだから、何をかいわんやである。ご本人は「法の番人」だし、お仲間はそれを監視する役目も持つメディアだというから、4人とも言い訳のしようはない。

 

 最初、情報が不十分だった時には、黒川検事長にメディアが仕掛けた「罠」かと思った。もちろんやすやすと罠に落ちるようでは、人の上に立つ資格はない。さらに聞くと検事長とメディア3人の関係は、結構長いものだったらしい。メディアが組織的に「罠」にはめた公算は低くなった。徹夜麻雀はたびたびおこなわれ、一晩で動くカネは数千~二万円くらいだったという。

 

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 仮に1000点100円のレートでも、「ぶっ飛び」などのルールを加えれば、一晩でそのくらいは動くだろう。それでもご本人たちは「ちょっとしたお遊び」のつもりで、「賭博」との認識はなかったように思う。

 

 僕は小学校のころこのゲームを覚え、指で撫でただけでその牌をあてる「盲牌」といいう技術を身に着けた。他の3人が牌を積む時に、何枚かの牌の位置を覚えることもできた。意図的な「積み込み」ではないからルール違反ではない。そのころは東南西北4ラウンド親を回して、裏ドラもなしという「アルシーアル・ルール」でやっていた。それが高校・大学となると「東南回し・裏ドラあり」という足が速くインフレ傾向が出てきた。ゲームから賭博への傾斜である。

 

 そのうちに「ワレメルール」や「ぶっ飛び」など、もう麻雀で腕を試すのではなく「運を試す」ようになって、すっぱり止めた。ちょうど社会人になったのが、止めた理由でもある。ずっと以前から「賭け麻雀は賭博」と法が定めていたし、学生とは立場が違う。黒川検事長も僕に近い世代、検察官などという立場になって「運を試す」ようなことをずっと続けてきたことは、僕には理解できませんね。とんだ決着になりました。