Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

サグラダ・ファミリア

 この建物(失礼!無宗教なので教会と言う言葉が出てこなかったのです)も、バルセロナどころかスペイン観光の目玉とされるものである。実際、2004年の統計でアルハンブラ宮殿プラド美術館も超える観光客を集め(スペイン内の1位)ている。着工は1882年というから、そろそろ150年が経とうとしているがまだ建設中である。

 
 建設が遅れている理由は、この教会が「贖罪教会」であるために資金を寄付に頼っていたこともひとつである。ただ世界遺産登録(1984年)されてからは観光客の拝観料収入も増えて、この点は解消されつつある。もうひとつの理由は、ガウディの構想・設計関係の書類や模型などがスペイン内戦時に散逸してしまったこと。これらの回収や(恐らく)補間の図面を書くことなどで時間を要したのだろう。

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 それも最近のデジタル技術の発達で、Computer Graphicを多用しシミュレーションを入念に行うことができるようになって工事が加速していると聞いた。それでも完成は2026年まで待たないといけないとのこと(本当かね?)。最初に作られた部分はすでに150年は風雨にさらされているわけだから、黒ずんで威厳を見せている。その隣は最近作ったようで、まだ白く光っている。今もクレーンで吊り上げ続けている「部品」も、もちろろん真っ白。塔の先端の飾りも、新品のように見える。
 
 ガウディという人が先鋭的な建築家(というより芸術家)だったことはよく知られているが、芸術家にありがちで相当自分勝手な人だったようだ。この建築も当局の許可を受けないで施行開始(1882年)したという。その後後追いで認可された(1885年)のだが、自治体の合併手続きから漏れてずっと「違法建築」のままになっていた。これはもちろん行政サイドの不手際だが、ガウディを含め施工側もそれに対してアクションしなかった非はあるだろう。

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 資料によると、現在の施工主と自治体当局は建設合法化の合意をしているとのことだが最終的に許可されるのは2019年だとあるから、現時点でもまだ「世界最大の違法建築工事」が続いているのかもしれない。観光客の多さにも驚いたが、施工している人たちの「忍耐力」にも敬意を表するべきだと思う。2026年に完成するというのですが、本当に完成するならその時には来ないといけませんね。まず健康に留意しないと。