Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

台湾政府の臨戦態勢

 トランプ先生がWHOの中国寄りの姿勢に腹を立て、資金拠出を停止して1週間余りが経った。予算総額の25%ほどが消えてしまったWHOは、どこかの国に穴埋めを期待している。一方日本国内にも「よくやった、日本も追随せよ」と叫んでいる人もいるが、追随する国があるとは聞かない。

 

 トランプ先生のやっていることは米国内(の有権者)にはお金を使うが海外には使わない「ドケチ作戦」なので、言いがかりをつけて約130億円(昨年ベース)の支出削減を図ったものと思われる。

 

 WHOのテドロス事務局長個人なのかもしれないが、やはり中国に配慮した発言が目立つ。「COVID-19」感染初期に「ヒト・ヒト感染はしない」などと、各国政府に道を誤らせた罪は大きいと思う。また「一つの中国」に配慮して、台湾の参加を認めないなど疑問符がつく行動も多い。

 

 台湾政府は昨年末、「武漢新型肺炎が広まっている」との警告文をWHOに提出したのに、握りつぶされたと今月発表した。このウィルスが「武漢病毒研究所」で研究されてきた生物兵器であるかどうかは別にして、そのような可能性も考慮して防疫体制をとってきた台湾政府の反応は素早かった。

 

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https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-93156.php

 

 非常に限定的な被害にとどめることができているとこの記事にあり、国際的な評価が高まっている。これは中台関係の緊張度からして当然のことだったかもしれない。常に臨戦態勢なのだ。

 

 サイバーセキュリティの分野でも、台湾政府の危機感は強い。昨年春、政府関係機関が主催した「New Cyber TAIWAN」というイベントに参加し、秋にはその中核となった人たちを日本に招いて議論をした。今年以降もその交流は続けたいと思っている。

 

 台湾は国際的には「国」と認められていない。だから霞ヶ関の人たちは公式に交流するのが難しい。だからこそ、民間がその役割を担って交流する意味が大きいのだ。WHOそのた国際機関からの支援は受けにくい台湾、今はトランプ先生が味方のように見えるのだが、この人はいつ手の平を返すかわからない。近いという意味もあって日本の産業界が変わらぬ交流を続けるのが(お互い)必要だと思います。