Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

人手不足というのに・・・

 暑くなってきて、太陽が照り付けるところは耐えられないくらいだ。まだ暑さに体が慣れていないせいもあろう。蒸し暑いのもいやだが、梅雨の晴れ間の日照も困ったものだ。そんな日、大手町を歩いていると麦わら帽子をかぶってパイプイスに座った人がいた。ヘッドライトに反射する黄色い上衣を着ている。暑そうだなと気の毒に思う。

 
 手もとを見ると、一杯ボタンのついた計数計がある。これは交通量調査員だろう。人や車の交通量を計測し、これを基に都市計画や道路計画、場合によっては信号の制御などに反映して都市の利便性を高めることが期待される。アナログ時代から存在する「ビッグデータ」である。
 
 大きなビルではプライベートに行うこともあるこのような調査、道路上で行われているのは国交省の外郭団体などが実施しているものだ。もちろん、その原資は税金。そのような外郭団体には、昔からの「ビッグデータ」が蓄積されていて、定期的にレポートを送ってくれる。このような研究・分析は大変面白いのだが、いまだに人手で数えていることには違和感がある。
 
 主な交差点には防犯カメラが備えられているはずだ、ビル内外や公園、公共施設のもカメラはある。映画で市中のカメラ映像を使って犯罪者等のターゲットをトレースする話が出てくるが、このようなデータを使えば特定の地点の交通量など自動的に計測できるのではないか。

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 これは10年以上前に上記外郭団体の幹部に勧めたことだ。映像から自動的にクルマや人を抽出する技術は確立していたから、十分に実現性はあった。都市工学の教授陣も賛同してくれたし、「交通センサスの自動化」をテーマにした勉強会も開いてくれたのだが、実現には至らなかった。
 
 人手不足の昨今、自動化できるものはして人がしなくてはいけないところに労働力をシフトするのが正しいと思う。もちろん雇用のミスマッチということはあるでしょうが、それならば計画的に移行することを考えてほしい。もし予算消化とか、外郭の下請け機関の維持のためだったら辞めてもらいたいものです。