Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

如水会館「ジュピター」(後編)

 今でもサイバーセキュリティの話をユーザー企業の経営者に聞くと、「それはベンダーさんに任せてあるから」と答える人もいるくらいだ。だから霞ヶ関や業界団体は、「サイバーセキュリティは技術課題ではなく経営課題」と繰り返し叫ぶことになる。日本の企業はデジタル革命のためには、ベンダー丸投げでは済まないことを知って欲しいと思う。主賓の方の企業は、40年前にそれを分かっていたのだろう。そのことは、この方の人生も変えたはずだ。ベンダー丸投げなら、経営者になってもデジタル政策に関与されても、今ほど理解をして積極的に提案などされることはなかっただろう。

 

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 そんなことを考えているうちに、メインの一皿目。舌平目のムニエルである。キューリに焼き目を付けたものを台替わりに、ヒラメの切り身が「美味しいよ」と言っているように思えた。白ワインもまだ十分残っているし、少しずつ削りながらワインで流し込んだ。ほんのりバター味がしたが、舌触りはとても柔らかい。

 お酒が入ってくると、話の時間軸がさかのぼってくる。やれメインフレームのリーダーに読ませるカードデッキがどうかとか、紙テープがどうだったという古式ゆかしい話になった。そのころは、コンピュータなるものがこれほど社会に影響を与えるようになろうとは、誰も考えなかった。当時のファイル容量は中型計算機で100MBもあれば大きな方、今のスマホは内部にその1万倍ほどの記憶容量を持っている。

 

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 白ワインがなくなり、赤ワインが注がれた。メイン二皿目はヒツジやウシのグリル。僕はウシのフィレ肉をレアでと頼んでおいた。野菜やパイを添え物にしたフィレ肉は、確かにレアだったけれどポテトチップスほどの面積だった。マディラ酒のソースが器に入って出てきたが、あまりそれには絡めないで食べた。柔らかくて、これはレアでないともったいない・・・もう少し大きめだと良かったけれど。赤ワインの銘柄は分からなかったが、酸味が強すぎずふっくらとした香りだった。キアンティ・クラシコだったのだろうか?

 いろいろな話をしながらの2時間ほど、日本人(の中高年)にも適当な量のフレンチのフルコースを久しぶりに味わいました。主賓にお世話になったこの7〜8年のことも含めて、ありがとうございました。