Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

電子行政、一歩前進

 平井卓也大臣がちからこぶをこめて進めてきた「デジタルファースト法」がついに成立した。大臣は政界でもIT政策通として知られ、経産省政務官時代も国交省副大臣時代も行政機関のデジタル化促進に尽力してきた実績がある。僕も何度かお目にかかっていて、経産省のある種のサーバー機能のバックアップを沖縄に置くのミッションには多少関わった。

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 電子行政については、20~30年(そうそう平成時代を通してだね)前から議論だけは続いているのだが、なかなか進んでいかない。業を煮やして下記のように過激な提案をしたこともある。

 

 ・都市をひとつ決め、全て電子化した市役所をインターネット上に作る。

 ・アナログ市役所とデジタル市役所を3年ほど並行運用する。

 ・その後、住民にどちらの市役所に納税したいか問う。

 

 民間でも同じことだが、カネの流れを変えないと組織は変わらない。デジタル市役所に税金が集まるようになれば、電子行政が進むのだ。もちろんこの提案は即座に没になったが、官僚の皆さんにも僕の真意はある程度伝わったと思っている。

 

 この度の法律は、3つの考え方が柱になっている。

 

 ・手続きをIT(情報技術)で処理する「デジタルファースト」

 ・同一の情報提供は求めない「ワンスオンリー」

 ・手続きを一度に済ます「ワンストップ」

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45208480U9A520C1MM0000/

 

 以前は電子行政というと、ITをうまく使えない公務員を排除するものだとか、仕事を取り上げられた公務員をどうしてくれるといった抵抗が強かった。今は職場のPCは当たり前になってきているし、そもそも人手不足は行政機関も同じだ。現場の抵抗が減った今、本当に電子行政が進んでくれたらと切に願う。

 

 この法案、昨年末には「はんこ屋さん」からのロビイングが与党に激しく、あわやというところまでいったと聞く。確かにその業界の危機感はわかりますが、「変化に適応できるものが生き残る」というダーウィンの言葉を差し上げたいと思います。