Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

なし崩し的な「歯止め」

 次期戦闘機の第三国輸出についての、うんざりするような自公協議が一応の決着を見た。

 

1)第三国輸出は、次期戦闘機に限る

2)紛争当事国には輸出しない

3)実施にあたっては、あらたな閣議決定を行う

 

 との「歯止め」を岸田総理が表明し、これを公明党が評価する形である。こと軍備に関しては、与党でありながら「平和の党(*1)」である公明党の抵抗で、不毛な議論が多々あった。治安維持に派遣される部隊に「機関銃は1丁だけ」などと規制したのは、開いた口が塞がらない話。今回の決着も、それに似た不合理極まりない結論だった。

 

 まず1)だが、公明党は「最強の殺傷武器である戦闘機が輸出可能になったら、全部可能になる」と反対していた。今の政府が「限る」と約束したところで、本当に守られると思ったのだろうか?

 

    

 

 現実には武器輸出は(目立たない形で)始まっており、先週にはフィリピンに続いてインドにも軍艦用のアンテナを輸出することが決まっている。

 

 次に2)だが、武器を必要としていて、消耗する全てを補充従っているのは紛争当事国である。ニーズの高いところに売るのは、ビジネスの常道だ。

 

 最後に3)だが、公明党は「閣議決定には公明党も入るので、歯止めになる」と言っているが、いつまで与党のつもりなのだろうか?かりに与党だったとしても、大臣ポストなどちらつかされれば、抵抗するふりだけで結局なし崩し的に閣議決定に参加するのではないか?

 

「二重の閣議決定」は武器輸出の歯止めになるのか 岸田首相は強調したが…国会は関与できない:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

 結局、政府は殺傷力を持った武器の第三国輸出への道を拓いたのですが、踏んでも踏んでも付いてくる「ゲタの雪」と揶揄された公明党も、重すぎる雪ダルマになった印象はあります。支持率低迷の今は無理にしても、いずれ自公連立は難しくなるでしょうね。

 

*1:特に創価学会婦人部の意向が大きいらしい