Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

制度変更の季節にあたり

 10月は国内各所の、制度変更が集中して行われる。厚労省関係で、診療・介護の報酬や年金の改訂も行われる。特に偶数月は年金支給月だから、どのくらい変化があるのか振込額を気にしておられる向きも多いかもしれない。私としては、いくつか気になることがある。

 

 まずインボイス制度の導入、これによっていわゆる「免税事業者」は少なくなる。税は「透明・簡素・公平」が原則だから、控除や免税はなるべく少ない方がいい。そういう意味で、反発の声はあるにしても正しい方向だと思う。ついでに軽減税率など廃止してくれればよかったのだが。

 

 次にマイナポイント(最大2万円分)の申請が、先月末で終了したこと。マイナンバーカードをなんとしても普及させるとの意気込みは分かるが、本来マイナンバーの市民のメリットをちゃんと説明すべきところ、現ナマ配布のインセンティブに拠った筋悪政策。全く評価できず、終了して良かったと思う。

 

    

 

 最後は「ふるさと納税」の返礼品規制強化。自治体の税獲得合戦で、豪華な返礼品あるところに税金が流れる事態になっていたのを是正しようというもの。都市部と地方の格差是正を、目に見える形で進めようとの意図は分かるが、市場競争に慣れていない自治体関係者が「競争」を急に始めるとろくなことにならない。今後、返礼品の魅力が下がって振替納税額が減るだろうが、これは致し方のないところ。

 

 菅前総理の政策全般を評価しながらも、本件には疑問がある。本件と日本郵政の完全民営化を止めたのが、菅前総理の施策の中で私が納得できないこと。これらは社会政策ではなく、選挙対策ではなかったか?自民党にとって地域の集票マシンである地方郵便局を残し、自民党が相対的に強い地方自治体の増収を図る。

 

 来年10月には、いよいよ従来の健康保険証廃止がやってきます。さて、これから政局はどうなるのでしょうかね?