Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

この「域外適用」は困る!

 中国経済が曲がり角に来ているからか、あるいはそれとは別の理由か、習大人の内外への強硬姿勢が目立つ。ひょっとすると体調が思わしくないのかもしれないが、今月のG20も欠席している。プーチン先生も習大人もいないG20は、ちょっと寂しかった。

 

 直接彼が命令しなくても、共産党という巨大組織は「忖度」で動く。国内で反政府運動をしている人だけでなく、日本を含む海外にいる人にも圧力をかけているとの報道があった。

 

中国、越境〝法執行〟か 海外の反体制派に圧力 「東京で暴行」証言も - 産経ニュース (sankei.com)

 

 以前海外にいてSNSに「香港独立」と書いた人が、帰国時に逮捕された件(*1)とは別で、かなり困った事態。これは「域外適用」ではなく、完全な主権侵害である。公式ではもちろんないが、法執行機関を海外展開しているのは本当のようだ。

 

        

 

 今のところ、対象は中国人に限られているのだが、外国人(例えば僕)にも魔手が伸びないという保証はない。今月、一緒に台湾に出張してくれた政府OBの人は、公私にわたって中国渡航経験が豊富だった。彼は、

 

「習政権になってから、雰囲気が悪くなった。気付いてから、赤パスポート(私用)での旅行は止めた。緑パスポート(日本政府公用)での入国なら、滅多なことはないだろうが、赤パスだと行方不明になっていたかもしれない」

 

 という。中国出張では、電話の盗聴や携帯電話のハッキングなどにも警戒しなくてはと、以前の上司もいっていた。確かに僕自身、2010年以降は中国、2015年以降は香港にも行っていない。2020年1月の北京トランジットの時も、警戒していた。

 

 それが、日本国内にいても気にしなくてはいけなくなるかもしれません。この域外適用の尻尾を掴んだら、日本政府には断固とした抗議をお願いしますよ。

 

*1:サイバー空間での国家主権 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)