Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

究極の「人生100年」ビジネス

 世界で一番平均寿命の長い日本。銃器や麻薬などの危険物が実質的に制限され、医療体制や社会保障、その他成熟社会に必要なものが整ったゆえの、総合的な安全・安心社会の構築が成った成果であると誇ってもいい。

 

 しかしこのところの「人生100年時代」のアピールは、少し強すぎるような気もする。先日のTVニュースでも、これを礼賛する番組が組まれていた。穿って考えると「人生100年時代に対応した、新しいビジネスへの応援歌」にも聞こえる。

 

 これが、現在「COVID-19」禍や人手不足によって苦境にある医療介護現場に利益をもたらすものだけなら、僕も文句は言わない。しかし関連産業にもビジネス機会を与えているのも確かだ。

 

 以前「老後資金2,000万円が必要」とのレポートが発表された時、貧困家庭支援をしていいる人は公助の強化を求めて書籍を出したのだが、「では資産運用ですか」との反応が多くて困ったという。

 

    

 

10万円一律給付要求のルーツ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 60~65歳で引退し、以降の30余年を年金で暮らすとすれば、確かに自己資金で2,000万円くらいはもっていたほうが安心できる。まだ60歳に間のある人たちだって、今の支出を切り詰め金融資産を増やそうとすることは当然だ。そこに、人生100年時代のビジネスチャンスが生まれる。生命保険はもちろん、債券・株式・ファンド・預金・不動産などの宣伝が多くの市民に向かって発せられる。

 

 究極は政府財政かもしれない。このところ相続税関連の動きも急だ。生前贈与の相続から除外する期間を3年から10年に延ばすというのも、実質増税。要するに「人生100年に備えて貯金してください。早めに亡くなったら政府が貰いますよ。財政再建にご協力いただきありがとうございます、アーメン」ということ。

 

 いやいや、日本政府もなかなか商売上手でいらっしゃいますね。