Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本にいるとあまり感じないが

 ニューヨークに住む人とオンライン会議をしていて、ちょっとした雑談の中で「物価上がってますよ」と聞いた。「COVID-19」禍対策でバイデン政権が小切手をバラ撒き、その結果働かない人が増えて人手不足になり、人件費が高騰したことが原因のひとつだ。さらに「COVID-19」禍からの回復需要増、ASEAN諸国の生産能力が回復していないこと、原油などエネルギー価格の高騰もこれに拍車をかけている。

 

 ある記事では、ニューヨーク市街のベーグルサンドが$9まで値上がりしたという。グラスワイン1杯も$9になっていて、いずれも3~5割の値上げである。ベーグルサンドが日本円で1,000円超えるというのは、ちょっとした驚きである。もしニューヨークに住んでいたら、ノー天気に「ワンコインランチ」などと言っていられないわけだ。

 

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 「吉野家」の牛丼・並が426円(税込み)になっているとはいえ、日本にいるとインフレはあまり感じられない。牛丼・並に漬物、味噌汁をセットしても588円である。ガソリン高はニュースになっているが、むしろデフレ克服論すらくすぶっている。社会全体として、インフレ懸念があるわけではない。

 

 しかし金融機関はマーケット事情に対してセンシティブ、証券会社から電話が掛かってきた。直接インフレに対しての危惧というわけではないが、インフレ懸念で米国連邦準備制度理事会FRB)がいずれ行うつもりのテーパリング(資産購入の段階的縮小)を前倒しするかもしれないという観測が流れたから。

 

インフレは紛れもなく存在、問題はいつまで続くか-QuickTake - Bloomberg

 

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 現在米国(だけではない)が、景気刺激のために「ジャブジャブ化政策」を取っていて、余剰資金が株式市場に廻ってきて株価を押し上げている。これを是正し資金の引き揚げから金利上げに向かうのは、いつかはしなくてはならないこと。

 

 インフレというのは「カネ余り」の証拠だから、市場に資金は充分だとFRBが判断すれば、上記の是正時期は早まる。そうなると株価が頭打ちから下落に転じるのではと、市場関係者は見ている。この問題は実質デフォルトが始まったとされる「恒大グループ問題」より、インパクトがありそうです。そろそろ株も売り時ですかね?