Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

プリゴジン人気の理由

 ベラルーシに匿われた(軟禁されたとの説もある)「ワグネル」創業者プリゴジン氏であるが、ロシア国内での人気は衰えていないようだ。事件前の調査だが、来年の大統領選挙でどの候補に投票するかで、5%の支持を受けたということだ。もちろん、これが、

 

プリゴジン氏にとっては、ショイグらを採るかオレを採るかと迫った背景

プーチン大統領にとっては、利点もあるがそろそろ危険とみなした原因

・ショイグ国防相らにとっては、軍のライバルとして排除したいと思った理由

 

 になっている。モスクワ進軍をあきらめた「ワグネル」の今後については、まだ良くわからない。シリアやアフリカ諸国で汚れ仕事をし、鉱物や原油の採掘権も持っているという、事実上のプーチン保有企業にも見える。これらの利権が誰のものになるか、今まで通りプーチンプリゴジンの懐に入るとも思えない。

 

    

 

 モスクワ進軍をあきらめた後、ロストフでプリゴジン氏を熱狂的に見送る市民の姿があった。無論ロシアの正規放送ではないだろうが、現代はSNSという巨大で誰も統制できないメディアがあるから、この種の映像は必ず流れる。さて、そのプリゴジン人気の理由だが、2つ考えられる。

 

1)ロシア市民は勇者を歓迎する。正規軍のもたつきに比べ、弾薬等を正規軍から十分補給されなくてもバフムト占領を果たした「ワグネル≒プリゴジン」はやはり英雄だ。

 

2)ロシア市民は、本音ではこの戦争を嫌っている。しかし表立って「この特別軍事作戦は失敗だし、そもそもやる意味などなかった」とは言えない。それを公然と大統領にぶつけるプリゴジンは(市民にとっての)希望だ。

 

 というもの。今週の「サンモニ」で元朝日新聞の記者さんが、1)だと説明していた。戦争ぎらいの朝日なのに、なぜ2)だと思わなかったのだろうか?

 

 僕はおそらく2)だと思っています。うがって考えれば、かつて日中戦争を煽ったのが朝日新聞。戦後反省したとは言うものの、その時代のDNAが今でも残っているのではないでしょうか?

 

PS:「報道1930」に出演した同新聞の駒木氏は、ロシアメディアの調査結果として2)が1)の倍以上だったと報じていました。謹んでお詫びします。