Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

もう一つの隣国危機

 台湾海峡の小競り合いは、年末年始も続いている。さすがに今年の台湾海峡海戦はないと信じているが、年末に米国偵察機に中国軍戦闘機が異常接近したこともあって、偶発的な何かが起きないとは言えない。

 

 そのほかにもう一つの隣国危機がある。派手に立ち回っているロシア軍のことではない。かの国は西部戦線で手一杯、北海道上陸などできようはずもない。それよりは、今でも世界有数の(人数の)陸軍を擁する北朝鮮が心配だ。忘れている人もいるかもしれないが、38度線は「休戦ライン」。俗に「6月の砲声」と言われる金日成の南進(1950年6/25)以来の戦争は、まだ終わっていないのだ。

 

        

 

 年末には北朝鮮の偵察用小型ドローンが、ソウル近郊にまで侵攻。これを韓国軍が探知や迎撃ができなかったことに衝撃が走った。翌日にはドローンの再来を検知してF-15などの出撃させたものの、これは渡り鳥の群れを誤認したものと分かり韓国軍は面目を失くしたとも伝えられる。

 

 前の文政権は日米韓連携よりは南北宥和を指向していて、首脳会談まで実現した。しかし現在の尹政権は対北強硬路線。度重なるミサイル発射や砲撃、さらに今回のドローン偵察に危機感を募らせている。

 

「圧倒的な戦争準備を」 北朝鮮の無人機侵入で―韓国大統領:時事ドットコム (jiji.com)

 

 時事通信は、少し過激すぎるタイトルだが「圧倒的な戦争準備」と題した記事を掲載している。経済的に追い詰められている北の軍隊に、ロシア以上の継戦能力があろうはずもない。ただ緒戦に全てを賭けて、南朝鮮に潜らせてあるアセットも全て投じて欺瞞工作を行えば、ソウルを火の海にする以上の戦果は挙げられるだろう。

 

 昨年の数々の暴挙は単なる脅しで、米国に振り向いてもらいたいだけとの見方が有力ですが、第二次朝鮮戦争にいたる可能性はゼロではありません。核の脅威もありますし。正直、極東有事はこちらの方が「早い」かもしれません。