Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

議論を「走行距離課税」に矮小化せず

 政府がお金を使う方の「政策」は官邸主導だが、お金を集める方の「税」については党(自民党)主導である。そういう意味で、普段目立たない自民党税調の宮沢委員長は、総理と同等の力を持っているとも言えよう。今回の補正を含めた放漫財政で、今年度の支出は140兆円にも及ぶ。税収は、過去最高と言いながら70兆円には届かない。近い将来、英国トラス政権が見舞われた「英国売り」の波を日本もかぶる公算が高い。

 

 そこで増税論なのだが、今話題になっているのが「走行距離課税」。誰が言いだしたのかは知らないが、EV車が増えていくのだから導入は必然と思う。

 

走るほど課税される“走行距離税”に自動車評論家が「もう、めちゃくちゃです」と憤る決定的な理由(1/3)〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)

 

    

 

 道路整備にはお金がかかる。国道などはまだマシだが、県道・市道などになると予算が付かず補修が先送りになる実態を、僕自身方々で見てきた。道路を利用した人(車?)に課税するのが妥当だが、それは面倒だったのでガソリンに課税していた。しかしEVが増えるとともに、Connected Carの普及で走行距離を容易に計測できるようになった。利用者(車)負担の原則に沿った、まっとうな税制と思う。

 

 しかしせっかく税制の議論をするなら、エネルギー全体の視野で見直すことも出来るのではなかろうか。ガソリンへの(消費税)二重課税など矛盾したことは沢山ある。ある議員は「電力会社の総括原価方式がけしからん」と仰る。厳密に税ではないが、電力会社が広告宣伝費や献金まで「原価」に算入できるので、メディアや政治家が電力会社に甘くなるという危機感だ。

 

 環境問題を含めて、エネルギーの供給・需要をどうするかは地球的課題。これをより良い方向に向かわせる(広めの)税制議論をお願いしたいですね。