Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

晩秋のトリノを歩く

 片道24時間以上、エール・フランス機欠航トラブルのせいで36時間かけてやってきたトリノだが、出番は一日だけ。また24時間かけて、帰ることになる。チェックアウトの日、寝不足のせいもあって起き上がったのは8時。日の出の遅い北イタリア(日没は午後7時すぎ、日の出も午前7時すぎ)だが、すっかり明るくなっていた。

 

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 とはいえ今日は帰るだけ。しかも空港へのピックアップが来るのは午後4時だから、ゆっくり支度して街でも歩いていよう。遅い朝食をたっぷり食べて荷造りをし、昼前にチェックアウト。荷物を預かってもらい、カメラだけ持って街に出た。周辺部を含めると200万人以上が暮らすトリノという街、地下鉄・トラムを始め公共交通機関は整備されている。時刻表通りくるかといえば、疑問は残るが。
 
 ホテルの前は、ビットリオ・エマニュエル2世の名を冠した大通り。トラムもかなりの頻度で通り、地下鉄も通っている。東南東へ伸びるこの通りを地下鉄2駅分、約1km行くとヌォーバ門という長距離列車が発着する駅がある。
 
 駅から北北東に、やはり1kmあまり行くと、王宮がある。この2辺からなる正方形1km四方が、チェントロと呼ばれる旧市街の中心部だ。昨日バスの車窓から見た印象では、フランクフルトのように古い街並みに新しい建築が混在している。しかしこのチェントロ・エリアには、近代的な建物は見当たらない。

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 まだ自動車も電車もない時代に作られた街並みをそのままにして、近代交通機関を入れたものだから、上の画像のように思いがけないところからトラムが出てきたりする。道路も昔のルートをそのままに設定されているので、突然ラウンドアバウトに誘われる。思ったより大きい迂回路の中央にエマニュエル2世の銅像が立っていたりする。
 
 紅葉が始まり晩秋の気配が漂うトリノ、19世紀以前と会える街のひとつをイタリア北部で見つけたようです。
 
<初出:2017.10>