Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

<Unpeace時代>のエネルギー政策

 米中対立どころか、ロシアのウクライナ侵攻によって、国際社会は「第二次世界大戦以来の危機」を迎えている。識者によれば今の日本は<Unpeace>の時代にいるのだという。<準戦時>と訳すべきだろうか、戦争ではないが平和でもない状況のことだ。いや、サイバー空間はずっと<Unpeace>だったよと、僕は言った。国際協定も法的秩序も全く不十分な空間だが、市民生活にはリアル空間に近い影響力を持っているので、すごく不安に思っているのだ。

 

 リアル空間でも国連の人権理事会からロシアを排除したり、各種のロシア制裁が発動されている。あれほど石油・天然ガスをロシアに依存していた欧州各国が禁輸に踏み切り、日本も石炭輸入を止めて岸田総理は「ここが(制裁の)正念場だ」と言った。

 

 今でも<サハリン2>の権益は手放さない日本政府&産業界だが、いつまでそれを維持できるかは不透明。先日の日商三村会頭の<サハリン2>擁護発言も、歯切れの悪さが感じられた。

 

    f:id:nicky-akira:20220410114231j:plain

 

 現在社会のアキレス腱は、電力供給だ。先月も東北地方の地震で火力発電所が停まり、季節外れの寒波が重なって電力供給が危うくなった。武力攻撃もサイバー攻撃もない状態で、日本の電力供給は危機に瀕したのだ。

 

 ウクライナの状況は悲惨で、「電気もガスもない!」と訴える市民には同情を禁じえない。しかしかの国の電力事情はもともと良くない。クリミア侵攻前後にサイバー攻撃による大規模停電が何度かあったが、停電はしょっちゅうなので気付かないサイバー攻撃は無数にあったかもしれない。

 

 それに比べると日本の電力会社は優等生、1年間に15分ほどの停電というのは世界一の供給力である。その分万一停電が長引いたときの被害や市民への心理的な影響は甚大になる。だから政府&電力各社は、なんとしてもこれを守って欲しい。電力網の防御もそうだが、供給原の多様化や余裕の確保がすぐにでも必要だ。

 

 英国はロシア依存を減らすため、原子力発電所8基を新設するという。日本もまず今ある原子力発電所の再稼働を急ぐべきだ。ブラックアウトした病院で、動かせない患者に安楽死の注射をして回る医師の話をある小説は書いていました。そんなことにならないように、よろしくお願いします。 

 

圧倒的な1,000ページ(後編) - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 From オール電化マンションに住むNINJA