Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本人の日本人による日本統治

 社会人になってから、特に直近の20余年は「Global & Digital」の潮流に乗って仕事をしてきた僕。お客様企業(BtoCビジネスは経験なし)に今でいうDXを薦め、世界の一番安いところで買って、一番高いところで売る事業構造改革をデジタル技術を使ってやりましょうと言ってきた。立ちはだかる壁の大きなものが、デジタル以前に作られた規制や国ごとに違う法律。だから、規制緩和や国際的な企業連携を進める活動を手伝うことになった。特にデータの国際流通に関わってきたのは、何度かご紹介した通り。

 

 というのは、「ヒト・モノ・カネ」に比べ「データ」の国際流通は不十分だと思っていたから。しかし、最近「Brexit」や「America First」という声が高まり、前三者もまだ不十分だと気づいた。例えばEUと分離した英国では、従来入ってくれた大陸からの労働者が減り、人手不足が顕著だという。

 

人材確保の困難訴える英企業が増加、EU労働者不足が一因 | ロイター (reuters.com)

 

 英国ミステリーは沢山読んだが、第一次世界大戦後でもおちぶれかけた英国貴族の屋敷には多くの従者がいたことが書かれている。大半は大陸からの移民で、ドイツ人の家政婦・イタリア人のコック・フランス人の馬丁等々。昔から大英帝国は、本土では人手不足だったのだ。

 

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 ひるがえって21世紀になってからの日本も、慢性的な人手不足。しかし「日本会議」など声の大きい人たちの反対論が根強く、移民受け入れはほぼ不可能。そこで弥縫策として、技能実習生や留学生の名目で「実質的移民」を導入してきた。「実質的」なのだから、本来移民に与えられるべき権利は認められていない。一定期間で「使い捨て」にする施策だとの批判もある。

 

 「新経連」の三木谷氏は「いよいよ正式な移民受け入れに移行すべきだ」との主張をされている。僕も全く同感で、産業界の人手不足解消やイノベーションを励起するには移民を解禁すべきだと思う。自民党総裁選の「踏み絵」にはこれははいっていないようだが、是非議論してほしい。ついでに野党共闘にも意見を聞きたい。

 

 このままでは「アフガニスタン人のアフガニスタン人によるアフガニスタン統治」と言っているタリバンと変わらないと非難されそうな気もしますよ。