Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

大陸の中心で「アラー」と叫ぶ

 予想外に早い「カブール陥落、ガニ政権崩壊」だった。米軍撤退を決めた時バイデン大統領は「タリバンは75,000人しかいない。(9兆ドルかけた)政府軍は30万人もいる」と言っていたが、予想以上のもろさだった。各国大使館や在留外国人の「救助」はそれなりにうまくいっているらしい。日本大使館もピーク時は40人以上の日本人館員がいたはずだが、すでに十数人に減っていて「安全は確保されている」との報道があった。各国が軍隊を派遣して「救助」に当たっているのだが、航空自衛隊はいかなくてもいいのかと心配していた。

 

<カブール陥落>米大使館の屋上からヘリで脱出する「サイゴン陥落」再び|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 中国とロシアはタリバン政権を容認する姿勢で、各々大使館はそのまま機能させている。一方英国ジョンソン首相は「アフガニスタンをテロ拠点にしないよう、結束して圧力を」と呼びかけ、G7首脳会合を提案している。英国は早々にアフガニスタン留学生などへの支援を凍結、英国への出国ができない彼らは途方に暮れている。

 

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 また欧州(特にドイツ)は、アフガニスタン難民が押し寄せることに警戒感を隠さない。高度な教育を受けた人、女性や子供たちにとっては、20年前のタリバンの圧政は脅威だ。かといって南東のパキスタンタリバン支援国、北東の中国(新疆ウィグル自治区)も困ったところ。北西のスタン国(タジク・ウズベクトルクメン他)の反応はまちまちだが、首都からは遠い道のりだ。

 

 もともとタリバンは「世直し」が看板、グローバリズムの波がユーラシアのハートランドにもやってきて、イスラム教徒には困った事態になったことへの反動で生まれた教義だ。この200年でも英国・ソ連・米国がやってきて去った当地の地政学を考えると、グローバル化に無理に組み込まずあるべき姿にもどしても仕方ないかなと(グローバリストの)僕も思う。

 

 だからジョンソン先生の言うように「圧力」はかけないで、G7各国は支援もせず対タリバン工作もしないで静観するのがいいと思われる。中露側に押しやってしまうとの意見もあるが、彼らにとっても「お荷物」になるかもしれない。

 

 ただその場合、日本政府には一つお願いがあります。日本への出国を望む人たちを、幅広く難民認定して受け入れてあげてください。これが最大の貢献だと思います。