Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

今年はリバウンドがやってくる

 英国では、欧州で最初に死者10万人突破という暗いニュース。変異ウイルスが猛威を振るっていて、感染力だけではなく死亡率を高める変異株ではないかとも言われている。オランダでは「自粛」に飽きた若者が暴動を起こし、連夜の機動隊との衝突を続けている。そんな状況なのに、IMFは今年の世界全体の経済成長率を、5.2%から5.5%に引き上げた予想値を発表した。

 

IMF、世界成長率予想を上方修正-ワクチン供給が不確実性抑制 - Bloomberg

 

 日本の経済成長率も、2.3%から3.1%に上方修正されている。理由としてはワクチンの供給が始まって、時間はかかるとしてもパンデミックが収束に向かうだろうということ。そして各国の景気刺激策(要はバラ撒き)が奏功するからということらしい。米国も、3.1%が5.1%に修正されたが、これはバイデン政権の200兆円と言われる景気刺激策あってのことと思う。

 

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 とはいえ、一律に成長率を上方修正したわけではない。中国は8.2%が8.1%に微減、英国は5.9%が4.5%に下がった。これは変異ウイルスでロックダウンが長引くとの見方だろう。ひょっとして、変異株には今のワクチンが通用しないと見ているのじゃないよね。

 

 IMFは昨年世界経済全体がー3%以上落ち込んだのに対し、今年はリバウンドが来ると言っているわけだ。今の世界のニュースを見ていて経済成長という言葉には違和感があるが、以前紹介したように「K字回復」が見られて、

 

パンデミックの期間に、世界で1億人が極貧に陥った。

・一方富裕層は9ヵ月で損失を回復、IT長者ら10人は5,000億ドル儲けた。

・数十億人の貧困層は、損失回復に10年以上必要とする。

 

 という報道もあった。富裕層がなぜ儲かったかというと、主因は株価の上昇にある。何度か紹介しているように、中間所得層でさえ買いたいものがない。そこにバラ撒きがくるものだから不動産や株にお金が流れる。もともと自社株など大量に持っていた富裕層は、笑いが止まらないというわけ。

 

 問題はリバウンドで「もう経済は大丈夫」と判断した各国政府が、景気刺激策を削減・縮小・廃止しようとした時でしょうね。それが株式市場などの大暴落を招かなければいいのですが・・・。