Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

勇気ある問題提起

 菅(スガ)総理の施政方針演説に2050年カーボン実質ゼロが盛り込まれていたことは、かなりチャレンジングな目標だと思う。これまでは2050年には80%削減だったものを、一気に100%に持って行ったからだ。自然エネルギー活用、徹底した省エネをやったとしても、僕はやはり原子力発電をある程度活用せざるを得ないと思っている。

 

 菅(カン)政権のころには、原子力発電比率50%と掲げていたこともあったくらいで、二酸化炭素を発生しない原子力には利点も多い。皮肉なことに菅(カン)政権の時に、東日本大震災福島第一原子力発電所の痛ましい事故が起きた。

 

 この事故以来原子力発電には強い逆風が吹き、日本の電力生産の中での原子力の占める位置はほとんどない。一時期究極のエコシステムと言われた核燃料リサイクルシステムもまっとうに動かず、過去の発電によって出た核のゴミ「高レベル放射性廃棄物」の行き先も決まっていない。現在北海道のさびれつつある2つの自治体(寿都町神恵内村)が、廃棄物受け入れのための国の選定プロセスに応募している。

 

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 ただ両自治体が北海道内にあり、道では条例として「核のゴミは受け入れ難い」と決定済み。仮にどちらかの自治体に適性があるとの結果が出ても、すぐに受け入れとはいかない。僕にとっては専門外の話だが、生まれ育ちが電力会社一家だったもので、他の人よりは関心の高い話題。素人なりにいろいろ悩み「迷惑施設の闇を払う」と題して、地元へのインセンティブを考えたりもした。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/10/08/140000

 

 ただ、この記事にあるような勇気ある問題提起をすることはできなかった。大前研一氏の主張を読んで、その勇気に感動した。

 

https://www.news-postseven.com/archives/20201028_1607474.html/2

 

 感心したのは「国民的議論」のところではなく、「私自身は、以前から最終処分場は福島第一原発がある双葉町大熊町にするしかないと考えている」というくだり。住民の方には誠に申し訳ないが、どんなに改良工事をしても住める土地に戻すことは難しい。国が購入して「核のゴミ」の最終処分場にするというのは(感情を抜きにすれば)合理的だと思います。この案を含めた「国民的議論」には大賛成です。