Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

この夏、もう一つの緊急事態?

 ようやく国民投票法改正ができて、憲法改正への階段を一歩登れたのだが、じゃあ次はどうするんだという話が見えてこない。「日本会議」は最優先で緊急事態条項を入れるべきとしているし、そんなものなくても「COVID-19」対処は可能だったという護憲政党の意見もある。彼らにしてみれは「COVID-19」の被害を利した、火事場泥棒的改憲案で言語道断ということになる。

 

 そんな議論も間に合わないうちに、もう一つの緊急事態がやってくるかもしれないという記事があった。先週梶山経産大臣が記者会見し、次の夏電力需給がひっ迫し、冬はもっと厳しくなると告げたのだ。実はこの正月の大雪の時、かなりきわどい状況だったという話は聞いている。これは数年に一度の寒波という理由もあるのだが、やはりCO2削減圧力で古い火力発電所を閉めていて、原子力発電所がほぼ稼動していない状況によるものだ。経産省は対策として、

 

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・電力会社には供給の確保に努めるよう指示

・消費側には「省エネ」を呼び掛ける

 

 ことにしている。しかし万一夏にブラックアウトが起きたら、ECMOも人工呼吸器も止まってしまうかもしれない。その頃までに「COVID-19」の重症患者が十分少なくなっているとは思えないから、二重の悲劇になってしまいかねない。以前別ブログでマルクス・エルスベルグの「ブラックアウト」を紹介しているが、全電力を消失した後に動けない患者の安楽死用の薬を注射して回る医師の姿になんともいえないものを感じた。この小説はサイバー攻撃で電力を失う話だが、悪意のある者はいなくても自然現象でこのような悲劇が起きてしまうかもしれない。

 

圧倒的な1,000ページ(後編) - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 下手をすると「COVID-19」禍を上回る被害(人的なもの含めて)が出てしまいかねない事態に、やはり緊急事態で私権の制限をどこまでするかは議論しておくべきではないだろうか?出入国管理法改正どころか、三原副大臣の遅刻騒ぎごときで国会を空転させているヒマはないはず。計画停電か、原発再稼働か、あるいは他の省エネ策か?与野党のみなさん、真剣な議論をお願いしますよ。