翌朝早くに、ニューオータニでの朝食会に出席することになった。今回のゲストスピーカは国会議員の先生。議員会館が近いので、ニューオータニは有力な開催場所である。熱海の自宅から出てくると始発に乗っても間に合わないので、前日から泊まり込むことにした。とはいえ、ニューオータニは泊まるには高い。そこで赤坂見附のアパホテルを予約した。
夕食前にチェックインし、さてどうしようかと考えた。このあたりの中華食堂に入って禁酒日にしてしまうのもアリだが、今夜は呑みたい気分。駅近くの「三間堂」という居酒屋に入ることにした。
最近の居酒屋は、大部屋ワイガヤ風から半個室／個室型に移行しつつある。大勢での宴会が減り、数人のグループ客が増えているからだ。この店でも入り口の右手に半個室が数卓、その向かいにカウンターで７～８席ある。奥には広めの部屋やいくつもの半個室があるようだ。カウンターにはだれも座っていない。一番端の席に座り、メニューを見る。今日は「クラシック・スタイル」で呑もうと決めていた。
僕の親父は、ビールはあまり飲まない。冬場は燗酒、夏場は冷酒と決まっていて、最初から最後まで日本酒だ。その影響で、僕も「とりあえずビール」ではなく、飲む酒を決めてそれを飲み続ける。これが、僕の「クラシック・スタイル」である。
「夏のおすすめ酒」のメニューの先頭に、純米大吟醸郷乃誉（茨城県）というのがある。吟醸はともかく純米にはこだわる僕は、今日のお酒はこれに決めた。最初のつまみとして頼んだのが、珍味３点セット。右から貝の酒盗漬け、イカスミ、松前漬けという、いかにもの日本酒のアテ。いずれも海の濃厚な味わいで、日本酒が進む（進み過ぎる･･･）
＜続く＞
