先月ご紹介したのは、第二次欧州大戦当時のドイツ軍のハーフトラック。子供の頃TVドラマ「Combat」で、ドイツ軍のハーフトラックが出てくると「ドイツの装甲車だ!」と小学生の僕は喜んでいた。もちろん「PSW 250」の稼働車両などあるはずもなく、米軍のM-3ハーフトラックが「代演」していた。
本当の装甲車(Armerd Car)は、ハーフトラックのように前輪がタイヤで推進力はキャタピラではなく、全部タイヤである。正式には「装輪装甲車」と言うべきものだ。6~8のタイヤで装甲された車体を機動させるのが、その意味。メリットは何かというと、整地されたところでは戦車やハーフトラックの倍近い速度で走れること。デメリットは何かというと、それほどの重量は支えられず装甲や兵装に限りがあることである。
基本的には偵察用の車両で、Ⅰ号戦車(機関砲装備)などより高速で機動できるので偵察範囲が広く取れる。ただ戦闘となると防御力が弱いし歩兵の随伴も難しいので、簡単に撃破されてしまう。これは大口径の主砲を積んでいてこちらから奇襲できる場合でも・・・である。敵を発見したらさっさと無線連絡し、危ないと思う前に逃げ出すのが一番いい戦い方だ。
それでもドイツ軍は多くの種類の装甲車を実戦配備した。代表的なものを見ていこう。右下から順に、
◆PSW 231
兵装:20mm砲(火力4)、対空機関銃(火力3)
装甲は申し訳程度
移動速度:23ヘクス/ターン
大戦初期の装甲車で、6輪の重トラックのシャーシを利用している。
兵装:50mm砲、対空機関銃(火力5)
このシリーズでは、そこそこの装甲が特に前面に施された。
移動速度:33ヘクス/ターン
発射速度の高い50mm砲で、軽装甲車両とならやりあえるようになった。装甲師団の偵察中隊に配備されていたらしい。高速移動力が売り物。
◆PSW 234/3
兵装:短砲身75mm榴弾砲、対空機関銃(火力4)
移動速度:33ヘクス/ターン
ピューマの主砲を、旧式のⅣ号戦車のものに取り換えたバージョン。偵察中隊の中の火力支援部分をになったとあるが、高速偵察車両と短砲身榴弾砲の組み合わせは、いかにもアンバランスである。
◆PSW 234/4
兵装:長砲身75mm砲
移動速度:32ヘクス/ターン
同じく主砲を対戦車砲に換装したもの。大戦終盤に登場したが、活躍したという記録はない。無理な改造だったようで、砲弾は9発しか搭載できなかった。待ち伏せをして数発撃ったら終わりという捨て駒的使い方だったろう。機関銃もなく、後進速度はわずか8ヘクス/ターンという遅さである。