Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

燃え広がるデモと暴動

 「COVID-19」感染拡大は続いているものの、トランプ先生は経済再開への動きを加速しようとしている。4月の米国全体の失業率が15%に迫り、3月から2,000万人以上減った。識者によれば、5月は失業率20%超えもあるだろうとのこと。再選が至上命題のトランプ先生としては「中国叩きくらいでは生ぬるい、感染による犠牲者を多少増やそうとも経済再開」ということらしい。

 

 先月、ワシントンDCとニューヨークを繋いでビデオ会議をした。ニューヨークの人はオフィスがマンハッタン中心部にありしばらく行っていないという。DCの人たちも同様だ。いずれも、地下鉄等で通勤しようとすると危ないと思っている。一つには感染リスクだが、治安の悪化への懸念も大きい。

 

 先週ミネアポリスで黒人男性が白人警官によって拘束されたが、その過程で死亡してしまった。これをきっかけに、全土で「Black Lives Matter」を合言葉にしたデモが頻発、中には暴動に発展するケースもある。有色人種に比較的温かいメディアであるCNN本社にさえ、デモ隊が押し掛ける騒ぎになっている。トランプ先生はこれに激怒、警官隊に発砲を許可すると言っているらしい。

 

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 1991年「ロドニー・キング事件」をきっかけに起こった「ロス暴動」を思い起こさせる状況だ。外国人にはわかりにくいが、米国の人種問題は恐ろしく根深い。下記の記事を見ると、その一端が理解できる。

 

https://www.newsweekjapan.jp/satire_usa/2020/05/post-35.php

 

 「コロナ禍」で、家を出るのが怖い、買い物も命がけ、人権が侵害される・・・と嘆く白人たちに、黒人が「それがアメリカだ」と応じる風刺画が紹介されている。これらの抑圧は黒人にとっては日常事だと言っているわけだ。黒人は白人に比べて、

 

・寿命は3.5年短い

・投獄率は6倍

・失業率は2倍

 

 で、黒人の死因の5%は殺人という。

 

 ワシントンDC周辺での黒人比率は50%ほど、全国平均は20%以下だから非常に高い。彼らがエッセンシャルワーカーとして首都の下支えをしているわけだ。不健康な食事で異様に肥満した人も少なくない。テレワークできる仕事ではないから通勤リスクもある。溜まった不満が「Black Lives Matter」運動で爆発したようです。感染症が収まっても、しばらく米国には行けませんね。