米国で警察への信頼が揺らいでいることは、多くの報道で理解していた。曰く、
・「デジドッグ」というAIロボット警察犬が試行段階で運用中止
・デジタル産業が警察への「顔認証システム」提供中止
・警官発砲事件でミネアポリス市長が「警察解体」と発言
のような話。先日「ジョージ・フロイド事件」で黒人容疑者を押さえつけて窒息死させたという元警官に、実刑22.5年の有罪判決が出ている。ただこのところ「COVID-19」騒ぎの影響だろう、米国大都市で急速に治安が悪化しているのも事実だ。
「コロナ悪夢」米NYで殺人97%急増…警察出身候補、市長選挙戦で旋風 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
2019年から2020年にかけてニューヨークでは、殺人事件がほぼ倍増している。先日見ていた米国のTVドラマ(CSIだったかな?)では、「黒人青年の死亡原因の第一位はHomicideだ」という台詞があった。もともと日本とは比較にならないくらい「殺人」が多い国だが、その原因は「銃器の氾濫」である。「COVID-19」騒ぎで日本では市民がスーパーマーケットなどに列を作ったが、米国では銃器店に長蛇の列ができた。
自らの手で家族や財産を守るというフロンティア精神はいいのだが、「銃を持つのは市民の権利」と銃規制が難しい。結果として市中に銃器が溢れる大きな要因になっている。「ニワトリ・タマゴ」論なのだが、警察が信用できないから市民が武装し治安が悪化したのか、銃器犯罪が多いから警察も強面になるのか、どちらも真実だろう。
上記の記事ではニューヨーク市長選の予備選で、警察OBで「法と秩序」を訴えるエリック・アダムス候補が旋風を巻き起こしているとある。それも黒人地区ブルックリンやブロンクスで人気が高いらしい。アダムス候補が市長になったら、警察予算を増強するだろう。それですぐ治安が戻るわけではないが。
昨年の大統領選挙、危機感を持ったトランプ陣営は「バイデン政権になったら警察予算が削減される」と、ドアの外に不穏な動きを見た老女が警察に電話してもつながらない「ホラーCM」を打った。トランプ政権時代に殺人事件が急増していたのにね。
警察力・法と秩序は必要なものです。市民がそれを再認識してくれること、そうもっていけるかどうかですね。