「Black Lives Matter」運動は衰えを知らず、「略奪をすれば銃撃を始める」と自国民に軍隊を向けようとしたトランプ先生も周りに説得されて矛を収めている。まあ本気で自国民殺戮・・・なんてことになったら「天安門事件」のアメリカ版になってしまう。
さらに事態を悪化させたのは、南部アトランタでの黒人青年射殺事件。これは一部始終が映像で残っていて繰り返しTVで流されるものだから、一層警察不信が高まってしまう。青年を射殺した警官は即刻解雇、起訴されようとしている。事態は、警察TOPの辞任にまで発展した。
https://news.livedoor.com/article/detail/18417991/
以前のミネアポリスの事件でも、市長が「警察を解体、再生する」と言っている。加えて、IBMやAmazon、ついにMicrosoftまでが、顔認証AI技術の警察への提供を止めると発表した。「少なくとも市民の安全と人権を保護する法律が整備されるまでは」とジェフ・ベゾスCEOが記者会見で述べたという。
よく「AIの倫理」という議論を聞くのだが、AIに限らず技術はそれ自体は善でも悪でもない。当然倫理感など持たない。顔認証についていえば、大勢の映像から指名手配犯を検知して追跡する用途が倫理に反するとは僕は思わない。
ただ警察組織がもっと人権を侵害しそうなこと、白人富裕層には使わなくてもマイノリティには犯罪をするのではないかと疑って予防的にトレースをしているのではないかなどと思われているようだ。
日本ではさすがに警察への疑惑でここまでのものはないと思うが、似たものを探すと「マイナンバーの悪用」が思いつく。特別定額給付金の遅れを反省材料に総務省がマイナンバーと銀行口座のひも付けを言い出すと、とたんに反対論が巻き起こる。これが一笑に付されないのは、政府に信用が不足しているからだろう。
米国の警察組織もこれだけ信用されていないとすると、警官という商売も大変だなと思う。実際マフィアやギャングとの戦いに命を懸け、暗黒街を神経をピリピリさせながらパトロールしているわけだ。あまりいじめすぎると、警官になろうという人がいなくなってしまいますよ。そしたら治安はどうするのでしょうか?