Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

コロナ対策予算の出どころ

 相変わらず、朝鮮半島情勢はキナ臭い。金正恩の重態説を米国高官が漏らし、一時期緊張が走った。三代目にはまだ後継者がなく、兄の金正男も暗殺されている。次兄の正哲と妹の与正という血族はいるのだが、正恩に何かがあった時に不測の混乱状態に陥る公算は少なくない。

 

 その後式典に出席した画像が公開されているが、どこまで信じていいかわからないのが正直なところだ。当然38度線には緊張が走っていて、韓国軍も警戒態勢に入っていると思っていたのだが、ちょっとびっくりする記事があった。

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/01/2020050180005.html

 

 韓国軍は予算削減によって、偵察能力に支障をきたしているというのだ。ドローンの予算も衛星の予算も削減されたらしい。「情報を制するもの世界を制す」は常識で、紛争地域にあっての偵察(Recon)の重要性は、誰も否定できない。

 

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 そればかりではなく、記事によると軍事関連費用全体で総額1兆5,000億ウォンを削減したらしい。韓国ウォンが下落している現状でも1,300億円ほどにあたる。確かに「コロナ禍」は重大事態で費用が必要なのはわかる。しかし国防費を削って休戦中の国境線の警戒を怠るとは、全く理解できない。

 

 「コロナ対策の優等生」と称えられ、総選挙でも大勝して意気揚々たる文政権だが、どうしてこんなことができるのだろう。文大統領の認識が、

 

・自分が対北宥和なので、北からの侵略など考えていない。

・すでに北の政権とは、密な連携ができている。

・軍事知識が全くない。

 

 くらいしか考えられない。世界が「コロナ禍」で苦しんでいる時だから、北の軍隊が動かないという保証はない。むしろ好機と考えるのが軍事常識、米軍の空母にも感染者が出て即応能力が下がっているくらいだし。日本政府、特に防衛省は情報収集に全力を挙げてほしいと思う。

 

 その一方、日本でも政権に批判的な元文科事務次官の某氏が「コロナ禍」対策の予算増を主張し、

 

補正予算8兆円の追加。不要不急の予算を減らそう。まず防衛費だ」

 

 と投稿して物議をかもしていた。さすがにこんなことを考える日本政府ではないと思っていたのだが、どうも隣国はそうではないらしい。朝鮮半島に限らず、こういう時こそ警戒を怠らないでください。宜しくお願いしますよ。