Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日独ICT政策対話(前編)

 何度か日米・日欧の官民(正確には官官民民)会合のことを紹介しているが、今回は日独ICT政策対話である。一昨年に次いで二度目の開催で、この新型コロナ騒ぎの中、潔癖なドイツ人がよく「世界第二のコロナ大国日本」にきてくれたものと思う。会合は1400からだが、午前中は政府間会合をしているようだ。東京グリーンパレスの地下にはレストランがあって、大きめのホールとそれよりは小さい個室宴会場がある。1400少し前にホールに入ったが、政府関係者はまだ個室宴会場でランチをしていた。

 

    f:id:nicky-akira:20200210211909j:plain

 

 10人あまりのドイツ政府関係者の名札がある。代表者は経済エネルギー省の政務次官ヒルテ氏。同省の局長や本部長など幹部が列席する。テクノロジーの国らしく、同省のほか人工知能や航空宇宙の研究所の人も来ている。民間企業もシーメンスBMWボッシュなどが参加、半分は日本法人の社長などの日本人だが残りはドイツ人。これが日米・日欧だと相手の人種は様々なのだが、今回の相手はほぼ全員ゲルマン風の苗字や風貌である。    

 

 日本側の代表はいつもの山田総務審議官、何人か課長級が列席するほか日本企業からも数人がメインテーブルについた。今回は経産省からの参加者はいない。ホールには同時通訳ブースが設置されている。同時通訳は負担が大きいので、通訳さんは3名。ふと気づいたのは、レシーバーのチャンネル。1が日本語、2が・・・えドイツ語!うわ、日独の同時通訳だ。

 

    f:id:nicky-akira:20200210212726j:plain

 

 用意されている資料は双方とも英語、でも説明と議論は日本語とドイツ語というわけ。後で聞いたのだが、午前中の政府間会合でも、ずっと日独同時通訳で進行したらしい。ドイツ語はレストランのメニューくらいは読めるのだが、とても議論などできない僕がなぜやってきたかというと、ドイツ側の説明に「GAIA-X」という項目があったから。ギリシア神話の大地の女神の名を冠したプロジェクトで、データの流通について先進的な取り組みだと思ったのだ。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/01/28/140000

 

 以前紹介したDEPA(デジタル経済パートナーシップ協定)では、チリ・ニュージーランドシンガポールで実質合意した中に、デジタルIDの共通化などが入っている。これは国際間の先進的な取り組みなのだが、ドイツでは多くの企業も入ってデジタルデータの標準化を考えているのだ。

 

<続く>