Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

帝国ホテルのBreakfast Meeting(後編)

 どうして法律事務所が「安心できるネットワーク空間を作る」プロジェクトの旗振りをするのかと聞くと、「複数のクライアントの要望によるものだ」との答え。そのクライアントというのは、多分大企業なんだろうなと思った。ネットワーク(インターネットと言ってもいい)の活用なかりせば企業活動が成り立たないのは、大手でグローバルの度合いの強い企業ほど身に染みている。

 

 ただどんな国でもどんな企業でも、単体で「安心できるネットワーク空間を作る」ことはできない。だから連合組織をつくり、その運営を中立的立場の法律事務所に期待したということだろう。米国はある意味「過度の法治国家」であり、日本とは別次元のパワーを巨大法律事務所が持っている。

 

 彼らは彼らで、その巨体を維持するため発展させるために常に「新しい市場」を開拓しなくてはいけない。「クライアントの依頼」といいながらデジタル政策に首を突っ込み、デジタル法律市場なかでも成長が期待できるセキュリティ法律市場を作りたいのかもしれない。

 

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 今日の会合のアウトラインが見えたところで、ようやく注文。コンチネンタルで3,500円、温かい朝食となると6,500円というのは市井の10倍である。僕はコンチネンタルで、トマトジュースとパンの盛り合わせ、フライドエッグを付けてもらった。ひとわたり注文が終わり、料理が来るまでの間が実務的な時間。どんな企業に声をかけているか、時間軸はどうか、当面の目標は何か、そしてアンティ(参加料)はいくらか・・・。

 

 細部の質問がいくつか出てプラクティカルな話が終わり、食事を始めた。多分美味しいのだろうが、ちょっと興奮気味の脳にはそれが認識できない。もったいないなと感じる一方で、自らの貧乏性を情けなく思う。話題がコロナウィルスのことになったり、米国大統領選挙になればちょっと肩の力が抜ける。トマトジュースを飲み終わり、気になっていることを聞いた。

 

 「法律事務所としての問題認識はわかった。では貴殿自身がこのプロジェクトに加わった動機は何か?」との質問に対して、「サイバー空間の安全性に対して、米国政府が十分な役割を果たしていないし期待できないからだ」との回答が来た。

 

 なるほど、それはよくわかる。日本でも、産業界の意見が霞が関でブロックされて通らないことが多い。ましてや行き当たりばったりに見えるトランプ政権では。さて、今度ワシントンDCに行く時には彼にも連絡しておきましょうかね。空いた時間で会える人が増えたのはいいことです。