特に親しいというわけではないのだが、何度もワシントンDCで会っている米国人からメールが来た。彼とは日米の産業界の会合で会っていて、米国業界団体の人だったはずだがメールアドレスが違う。どうも有力な法律事務所に転職したようだ。新しい職場の仕事でアジアを回るので、東京滞在中に会えないかと言ってきた。テーマを聞いて、それならばと助っ人を３人お願いすることにした。いずれもデジタル政策の関連で付き合いのある人たち、３人とも快諾してくれた。
指定されたのはその米国人が滞在しているという帝国ホテル、さすがは有力法律事務所、太っ腹である。朝食会合にして開始時間を800に決めた。遠隔地に住んでいる僕としては、久しぶりに始発電車に乗る羽目になる。幸い冬至の時期よりは日の出が早く、駅に着いた時にはそこそこ明るい。
有楽町駅で降りて、帝国ホテルには20分くらい早く着いた。日本人３人とはロビーで待ち合わせで、僕より早くひとり来ていた。ぽつりぽつりと集まってきて揃ったところでその人物のことを話す。３人とも彼会ったことはないというので、３人を待たせておいて探しに行くと･･･ひょろ長い体をゆするようにして彼がやってきた。「久しぶりだな、元気か」と握手する。このくらいは英語で言える。
５人分の席を用意してあると、中二階のレストランに連れて行ってもらった。中央の丸テーブルが、これから１時間あまりの英語Fightの場になる。とても一人ではもたないので、３人に来てもらってよかったと思う。一人は完全なバイリンガル、残り二人も僕よりはずっと英語ができる。席に着くと、まず飲み物を聞かれた。
４人はCoffee、僕はTeaを頼む。簡単に挨拶や紹介が終わり、今日のテーマを確認する。本当なら朝食メニューを選ぶべきなのだが、その前に今日の議論をはっきりさせておきたいので、Coffee & Teaを片手に資料を見て話を進める。さすがに帝国ホテル、ウェイターもせかすようなことはない。
テーマは「安心できるネットワーク空間を作る」ということ。多くの人たちが議論し、目指していることだが容易に実現できるわけではない。例えば米国政府はHuawai製品を排除し他の国にもそれを求めているが、英国はじめ各国は「まるきり使わないとはいえない」と言って、トランプ先生のいいなりにはならない。最終組み立てがどこの国だろうが、内部の部品や材料まで純正ということはあり得ないから、最終製品だけ取り締まってもムダだと僕は思う。
＜続く＞
