「アント」の上場に待ったをかけたり、「滴滴」などの海外上場を受けて「事前審査」をかけるなど、習大人のインターネット関連企業への統制が強まっている。それもかなりの速度で「矢継ぎ早」に出してくる措置には、正直驚かされる。
先日中国の政策に詳しい人から「習大人自身が、データが大事・データを守れと、一般市民にまで呼び掛けている」と聞いて、これは本気だなと思った。各国首脳も(もちろん菅総理も)「DATA Driven Economy~Policy~National Security」の時代に入っていることは認識していても、関係機関ならともかく一般市民に語り掛けることはあまりない。
中国、データ安全法など4分野順守指示 アリババなどに: 日本経済新聞 (nikkei.com)
この記事は先週当局がインターネット関連産業の担当者を呼び、
・独占禁止法の順守
・データ安全の確保
・利用者保護
・当局の運営許可
の4分野への指導を徹底したというもの。これらの企業の中には、企業自身も意識していないデータが集まってきてしまい、これを敵性国家などに盗られたら安全保障上の問題になりかねないとの危惧があると思われる。
先ごろ施行された「データ安全法」を守れと言うのが建付けで、米国にもある「巨大IT」に似た事業者に対して、
・データや個人情報を守る組織や責任者の明確化
・厳格なセキュリティ対策システムの構築、運用
を命じている。これらの施策は、日本でも(東京オリンピックに向けて)重要インフラ事業者などに要求したものと文言上は変らない。ただ「国家情報法」という、日米欧には存在しない法律があって、中国企業が得たデータは当局が徴求できることが背景になると、これは事情が異なってくる。
要するに中国企業が得たデータは、中国当局が独占するということなのだ。海外上場も制限するのだから、海外の株主にも見せるなと言っているわけ。かなり徹底した習大人の「データ統制」が進行している。
ロシアのプーチン大統領が「米国こそ最大のサイバー攻撃国」と言っているように、習大人も米国からのデータを狙ったサイバー攻撃を危惧していると思われる。もちろん米国側も、エシュロンやプリズムを使った「SIGINT」を世界中に展開していたししていることを否定していない。
サイバー空間での国家闘争、すでに戦争状態という人もいます。日本も気を付けませんとね。