Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

故国に見放された漂流者

 新型コロナウィルスの名称が決まったようだ。「COVID-19」というのがそれ。久しぶりにWHOがニュースに出たかと思ったら「名前を決めました」ということだったので、ちょっと落胆した。名前なんかいいから、何か改善策を考えろよと言いたい。

 

 日本国内で新たなヒト・ヒト感染は報告されておらず、政府も国民に冷静な対応を求めている。札幌雪祭りの観客が減ったとか、京都で閑古鳥が鳴いている、奈良のシカがおせんべいくれないので怒っているなどのニュースはあるものの、ウィルスの直接的な影響は少なくなっている。

 

 問題は中国という「世界の工場」が操業縮小して、いろいろなものの供給が滞り始めたこと。まだ報道されない「xxがないので〇〇ができません」というリスクがいっぱい水面下にあると思う。東日本大震災の時、電車のパンタグラフのブラシを作る事業所が被災し、ブラシの備蓄が十分でなかったJR西日本では電車の間引き運転を余儀なくされた。そういう種類の不都合は予期せぬところで日本経済を襲うだろう。

 

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 ただ当面する大きな課題は「ダイアモンド・プリンセス」のようなクルーズ船に閉じ込められた人たちのこと。3,000人を超えている上に、高齢者が多く持病も抱えていて常備薬が切れてしまっている。外国人乗客も多く、日本では手に入らない薬だと困ってしまう。大勢の検査も同時には難しいことから、

 

 「外国籍の人は(特別チャーター便などで)故国に帰ってもらう」

 

 というアイデアもあると聞いた。例えば韓国籍の人は14人乗船しているそうで、小型機をチャーターすればいいはずだ。場合によっては水上機でクルーズ船に横付けして、空港を経由しないでも運べるだろうなと思っていた。ところが、

 

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200211003000882

 

 によると、韓国政府は彼らを受け入れないと表明した。え、自国民でしょ?と正直驚いた。クルーズ船は豪華さばかりが取りざたされていたのだが、いざとなると故国にも受け入れてもらえない「漂流者」になってしまうことがはっきりしました。韓国政府の冷たさはもちろん、クルーズ人気にも水を差す、困った事件になったようです。