Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

どうなるんだろうG20/B20

 「コロナ禍」は世界中に飛び火したようだ。米国の4年に一度の国を挙げてのお祭り(大統領選挙)でも、有力候補の集会が中止になるなどしている。僕が困ったのは、WTOのスタッフが感染してWTOの全会合が中止になったこと。グローバリゼーション推進の議論が止まってしまう・・・。

 

 今日は業界団体の人たちと話をしていて、来年度の国際会議のスケジュールがどうなるかわからないという話になった。G7は今年は米国が議長国、政府間会合に先立ちB7はもう終わっていて日本の産業界からも普通に参加できたという。しかしG20/B20については予断を許さない。日本の産業界はB20については前年のホストだったということでそれなりのポジションで参加できるはずだが、なにしろ場所がよろしくない。

 

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 2020年の議長国はサウジアラビア、言うまでもなく中東諸国の有力国で一大原油生産国として知られている。ただこの国、「サウジ家のアラビア」という国名が示すように、古式ゆかしいイスラム国である。僕らデジタル屋が標榜する「国境を渡る自由なデータ流通」を許さない国のひとつだ。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/08/13/140000

 

 今のムハンマド皇太子は改革派として知られ、女性が自動車を運転できるようになったなどの「改革」はよく伝えられる。しかし一方で強権的な運営でも知られていて、先ごろは前皇太子など有力皇族が反逆を疑われて拘束されるという事件も起きた。さらに「コロナ禍」で世界の景気が冷え込むことによって、原油価格が暴落してしまった。OPEC+ロシアなどの原油生産国が生産調整を図ったのだが、ロシアが首を縦に振らなかったらしい。

 

 データの流通は止めていてもヒトやそれに付随する(コンピュータじゃない)ウィルスは止められなかったようで、サウジアラビア自身でも感染者が現れている。感染者の多い東部地域を封鎖したり、聖地メッカへの巡礼者の受け入れも取りやめて防戦一方である。まさに内憂外患の体だが、どの問題についても正直解決のめどは立っていない。

 

 「大阪トラック」のいう「Data Free Flow with Trust」の議論すら大変難しい場所で、さらにお酒も一滴も飲めないことから僕自身は遠巻きにしているだけですが、このままだとG20という枠組み自体が形骸化してしまわないか心配です。