Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

老舗駅弁屋「松浦商店」

 名古屋大学を出るころには、もう日も暮れていて北風が寒い。地下鉄を乗り継いで25分あまりかけて名古屋駅までやってきた。運の悪いことに金曜日の退勤時間帯、地下鉄も混んでいたし、名古屋駅も大混雑だ。熱海まではこだまで2時間、普通ならゆっくり座っていくところだが、今日は単身赴任族の大移動の日である。

 

 恐らく熱海暮らしをするようになって初めて、こだま号の指定席を買うことにした。かなりの混み具合で、30分後のこだまにはB席(3人掛けの真ん中)しか空きがない。指定券は手に入れたが、次の問題は夕食。熱海についてからだと遅すぎるが、この30分間に混雑する駅周辺で掻き込むのも味気ない。そこで本当に久しぶりだが、駅弁を買って列車に乗ることにした。

 

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 選んだのは老舗の駅弁屋「松浦商店」の「天下とり御飯」。昨夜の夕食の場をセットしてくれた友人が、40余年前伏見の小さな画廊で個展をしていた時、差し入れに持っていった駅弁である。当時は確か400円だった。その頃より多少具は増えたようだが、大きな差は感じない。お値段の方は1,100円(税込み)になっていた。そうそう名前はグレードアップしていたね。「名古屋名物:とり御飯」から「天下とり御飯」になったのだから。

 

 鳥そぼろと卵のそぼろ、2色を炊き込みご飯の上に綺麗に掛け分けたもので、ご飯そのものも鳥の出汁で炊いてある。おかずの方も、鳥モモ肉の鍬焼きや出汁巻き卵、ささみの和え物、チキンカツに磯部揚げなど鳥がらみ、ゴボウやシイタケなど鶏肉にあうものが選んである。

 

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 炊き込みご飯は箸では食べづらいので、プラスチックのスプーンが付いている。お茶は?と聞かれたが、カバンの中に大学で貰った水のペットボトルがあったので断った。豊橋駅を過ぎたあたりで、おもむろに弁当箱を開けて食べ始めた。うーん、お味の方は変わっていない。

 

 「松浦商店」というのは本業は仕出し屋、それでも名古屋で一番の駅弁メーカーだと記憶にある。大学時代クラブ同士のおつきあいで、女子大の写真部と展覧会をしたり小旅行に行ったり宴会をした。その中に「松浦商店」の娘さんがいたのを思い出す。今回の名古屋行き、大学からの依頼での出張だったのだがなぜか自分の大学時代を思い出すことの多い「旅」になってしまった。依頼されたことはちゃんとやりましたよ・・・念のため申し上げておきますが。