Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Global&Digital化の30年間

 母校のイベントで、「30年後の文系研究者に何を期待するか」をテーマにお話しをさせてもらうことになった。気軽に引き受けてしまってから、30年後ってどうなっているだろうかと考え始めて、ちょっと悩んだ。先日紹介した量子コンピュータも実用化されているだろう。量子コンピュータが出来なくても、コンピュータの性能は5年で一桁くらいは上がる。30年となれば100万倍だ。しかもその時代の「文系研究」だから、もっとわけがわからない。

 

 こんな時は、30年前に立ち返るのが僕のやり方。30年前ねえ、確か名古屋の事業所で中央からの目を盗んで勝手な企画をしていたころだなと思い、関係しそうなことがらを拾ってみた。見つけた事項を年代の逆順に並べると、

 

 1991年 Windows 3.1発売

 1990年 32bits パーソナルコンピュータ登場

 1989年 PSINetサービス(インターネットの商業利用)開始

 1989年 ベルリンの壁崩壊、マルタ会談

 1989年 天安門事件

 

 上の3つは、Digital化の象徴である。それまで大企業など一部機関の奥に鎮座していたか全くのマニアのものだったコンピュータが、キーボード以外にマウスも使って皆が楽に扱えるようになった。加えて、それを使って個人も世界中とつながることができるようになったのである。

 

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 PSINetを含む下の3つは、Global化を示している。インターネットは言うに及ばず、ベルリンの壁崩壊でまず東欧、続いてロシアまで市場経済に入ってきた。中国という人口の多い国が、民主化ができるかどうかは別にして国際経済で大きな地位を占めるようになってきたこともある。

 

 これを見て僕のこの30年は、Global&Digitalの波に乗っかってきたと思いついた。ドイツでDigital機器開発の合弁をやったときは東ドイツ出身の技術者がいて言葉で苦労したし、昨今はDigital政策をキーワードに米国ワシントンDCや欧州政府のあるブリュッセルOECD本部のあるパリへ出かけている。うん、これでお話しの書き出しはできたぞ。あとはオチ(結論ともいう)さえ決まれば、書き始められますね。頑張ります。