Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

24時間戦エマスカ?

 あるコンビニエンスストア本部の会見で、「加盟店ファースト」という言葉が出たのにはあきれてしまった。いまさらそのような当たり前のことを言わなくてはいけなくなったのが、事態の深刻さを物語っているのかもしれない。

 

 コンビニ本部は加盟店からの「揚がり」で成り立っている。加盟店が儲からなければ、本部は儲からない理屈だ。それが人手不足、最低賃金UPに加え、他社や他業態との競争激化で新機軸・新商品を投入するものだから現場の混乱もあるだろう。

 

 そこで加盟店も「働き方改革」ということで、深夜営業を止める動きになってきている。僕個人としては、コンビニは国内出張の時にまれに利用するだけなので全く問題はないのだが、「深夜族」には困った事態なのかもしれない。

 

 コンビニ大手「7/11」の名前が示すように、この業態も終夜営業はしていなかった。それが高度成長期に「24時間戦エマスカ?」というキャッチフレーズが流行るとともに深夜の需要も増えてきた。「24時間常在戦場の気持ちで働け」と上司が部下を鼓舞する、今にしてみればパワハラのような行為が容認されていた時代である。まあ、会社員になってから先輩に聞くと、「結局、深夜まで飲み歩いていただけだ」とのことだが。 

    

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 当時は経済はもちろん人口も右肩上がり、僕より10歳くらい年上の「団塊の世代」が出世競争に血道を上げていた。時代は「平成」になり日本は徐々に縮んできて、とうとう「静かな深夜」が戻ってくるようだ。

 

 別業界でも、JR西日本が終電を早くするというニュースもあった。ローカル線だけならともかく、大都会大阪の「国電」も午前1時までの終電を早く切り上げるという。都会人からの苦情は出ないのだろうかと、余計な心配すらしてしまった。

 

 人類は、生理学的に夜は休むものだ。時差にかまわず海外出張・旅行を繰り返す僕がいうのもおかしいが、本来の静かな暮らしに立ち返れればいいのではないか。「24時間・・・」のフレーズは懐かしくはあるけれどね。