Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

突撃!日の丸戦車隊

 ・・・とそのように格好良く行ったのは、マレー半島を電撃的に南下しシンガポールを落としたときくらい。第二次大戦・太平洋戦線では、日の丸戦車隊の活躍は見られなかった。戦場がジャングル地帯ばかりで、戦車の機動力が生かせなかったこともあるし、島嶼に戦車を運ぶことも容易ではなかったからだろう。
 
 餓島と言われるガダルカナル島に戦車1両を送れるようだったら、替わりに食料や医療品を送れ、あれだけの餓死者や病死者を出すことはなかったろう。それでは、個々の能力はどうだったのだろうか?右から順に、

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◆89式中戦車
 兵装:主砲短砲身57mm砲、車体機関銃(火力2)、後方向け機関銃(火力2)
 装甲は極めて薄い(正面1・側面他1)
 移動速度:10ヘクス/ターン
 
  車高が高いので被弾の可能性は高い。基本的には機関銃座を潰すためのもので、対戦車戦は考慮されていない。89式ということは、1929年制式なので無理もないが。
 
◆97式中戦車
 兵装:主砲57mm砲、車体機関銃(火力2)、後方向け機関銃(火力2)
 装甲はやや厚くなった(正面3・側面他2)
 移動速度:14ヘクス/ターン
 
  第二次大戦開戦時の主力戦車。機関銃はもちろん対戦車ライフルくらいなら耐えられる。速力もまずまずで、機動戦を行うことができる。しかし、対戦車戦となると57mm砲では力不足。米軍の軽戦車スチュアートでも撃破することができたかどうか怪しい。いい点は燃えやすいガソリン車でなく、ディーゼル駆動だったこと、残念ながらゲーム上ではその利点はない。
 
◆97式中戦車改
 兵装:主砲長砲身47mm砲、車体機関銃(火力2)、後方向け機関銃(火力2)
 装甲はやや厚くなった(正面3・側面他2)
 移動速度:14ヘクス/ターン
 
  対戦車戦闘を意識して、主砲を長砲身47mmに換装したもの。それ以外の点での改善は見られない。砲塔の回転速度も遅い上に一人用砲塔なので、動き回る目標を捉えるのは難しかったと思われる。ドイツ3号戦車のように3人入る砲塔なら、戦車長は目標を視認して指揮し、装填手が弾を込め、砲手が狙って打つことができる。それに対し一人用砲塔では、戦車長が全部しなくてはならない。混戦時の不利は明らかである。
 
◆1式砲戦車
 兵装:主砲75mm砲
 装甲は97式並み(正面3・側面2)だが、オープントップであり後面の装甲なし
 移動速度:14ヘクス/ターン
 
  97式中戦車のシャーシに、75mm砲をのっけた対戦車自走砲のようなもの。対戦車能力は増しているが、機関銃がなく、オープントップなので歩兵の近接攻撃にあえばひとたまりもない。バズーカすら不要で、手榴弾1発で葬られてしまう。
 
 日本陸軍は北方作戦(対ソ連)に向けた準備をしていて、南方のジャングルでは力を発揮できなかったという説がある。しかし主力戦車がこの状態では、対ソ連でも十分戦えたかどうかは怪しいと思う。