Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「桜水」の思ひ出

 まだ30歳代だったころ、何の因果かドイツの企業と合弁するプロジェクトに巻き込まれてしまい、1年のうちの3カ月をドイツの田舎町で暮らす羽目になった。僕が巻き込まれる前から、このプロジェクトは事業所長の強い意志で進められていたらしい。たまたまその事業所長が僕の入社時の部長だったことから、「おいお前、××プロジェクトやれ」と部課長懇親会の(二次会の)席上で言われたのが、運の尽きだったかもしれない。

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 まるっきりドメスティックなこの事業所で、このプロジェクトは後のNHKの流行ドラマではないが「プロジェクト×(ばつ)」と呼ばれていた。そうはいっても君命に逆らうわけにはいかず、仕方なく(苦手な)ドイツ人との会話に備えることになった。僕のような下っ端に先だち、英語の堪能な部長級の面々が渡航、どうやらこういうやり方だということをお話いただいた。その後、現地での生活の話もあって、「桜水」という危険なドリンクがあるという。
 
 あとで分かったのは、「Kirsche Wasser」という蒸留酒の事。さくらんぼを基に作ったアルコール度数40%ほどの食後酒だということ。これを直訳すると、「桜水」になる。この部長さんいわく、ドイツ人は酒好きで食後にこの強い酒をショットグラスで何杯もあおり、日本人にも強要するのだという。僕は「それは酷いですね、気を付けます」と口で言いながら、「こちとら50.5%のバーボン(ワイルドターキー)で鍛えている、なにほどのことがあろうか。日本男児、受けて立とうではないか」と思っていた。(笑・・・)

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 全くの偶然ではあるが、当時の僕のチームには大酒のみが多い。二次会に3人で行って、僕のターキーのボトルを9つのショットグラスに入れ、一人3杯づついかに早く呑めるかなどと競争する豪のもの(?)が揃っていた。しかし最初の渡航は「豪のもの」を連れていくことは出来ず僕とその部長さんだけ。ディナーの席も気詰まりだったのだが、締めのショットグラスを1杯いただいて、大体の感触は掴めた。
 
 その懐かしい「桜水」、今回のフランクフルト滞在で呑んでみようと、350ml入りを初日に買った。画像の左側は、3本セットで売っていた輸出用のラガーの黒ビール。木こりのおじさんの絵が印象的で、まずまず美味しかった。
 
 右側がその「桜水」。呑み方はいろいろあって、ドイツ人は食後の消化剤としてストレートで20~40mlをショットグラスであおる。アイスクリームに掛けたり、食後のコーヒー(大概はエスプレッソ)に混ぜる。全部やると、60~80ml。日本酒1合ほどのアルコール量になるのだが、こいつらは平気である。
 
 今回買って来て、ボトルのまま冷凍庫にいれておいた。凍るはずもないし、食後にストレートは強すぎるので水で半分に割るにしても冷えている方がいいだろうと思ったから。こってりした現地の料理のあとで、多少ツンとくるけれどさっぱりとしたあと口(これも麻痺か?)が良かった。
 
 滞在初日から2日目で、夫婦二人で呑んでしまった。一人一日当たりにして90ml弱、これは明らかに飲み過ぎ。それに気づいてその後はスピリッツを買っていない。・・・とはいえ、25年前の思い出もあってとてもいい気持ちだったことは認めます。今後は、もっと節度を持って飲ませていただこうと思います。