「今年も避暑は函館」、ずいぶん前からそう決めていて、フライトもコンドミニアムも手配済みである。お盆休みを少しずらした形で、16日（金）出発・20日（火）帰着のスケジュール。意気揚々と荷物を作っていたのだが、困ったことに「超大型」の台風がやってきて、中国四国地方を縦断していった。
16日昼の羽田発のフライトで行くのだが、羽田空港そのものは台風が過ぎて多少風が強い程度だから問題ない。まずいのは台風が日本海でまだそこそこの勢力を保っていて、温帯低気圧になるらしいが北海道を横断する予報が出ていること。「偽りの晴れ間」というドギュメンタリー小説を読んだことがあるが、青函連絡船「洞爺丸」が台風で沈んだ事件を題材にしたものだ。
今回の台風が「洞爺丸台風」のように、本州を襲った後北海道にも被害を与えるのではないかと心配になったわけである。羽田空港に行く道すがらも、青い日系航空会社のサイトで運行状況を確認し、空港についたらすぐに掲示板を見た。どうやら飛んでくれるようだが、「函館空港視界不良などの場合は引き返します」ともアナウンスされている。結局フライトはほぼ定刻に目的地に到着、しかし雨は激しい。
今回は函館駅に近いコンドミニアムを初めて利用する。これが幸いして、ひどく雨に降られることもなくチェックインできた。台風を物好きにも追いかける形になってやってきたわけだ。荷物をほどいて部屋を自分たちに合わせて改造し、早めにディナーに出かけることにした。チェックイン後、雨はますます強くなってくる。
あまり遠出はできないので、市電の停留所でひとつ先の松風町にある「魚一心」に行った。滞在中一度は行きたい、漁師料理のお店である。風も強くなってきて、傘が飛ばされそうになりながら、なんとか到着。このあたりかつてはぎっしりと料理屋が立ち並んでいたのだろうが、今は空き地だらけ。そこを風が抜けてくる。
暖簾をくぐり、ビールとお刺身の盛り合わせを頼み、のどを潤して写真のお皿がやってくると、急に力が抜けた。１年ぶりの「魚一心」のお刺身、そうこれが無くては避暑の意味がないよね、とビールの後はシソ焼酎「鍛高譚」に変えて、呑み・食べ続けた。なんとかたどりついた函館。さあ４泊５日の滞在、楽しみますよ。
