日本の刑法では、殺人罪は「死刑、無期懲役、3年以上の懲役」と法定刑を定めて(刑法199条)いる。これより重い罪って何だろうと高校生の時に思った。学校の図書館に行き、「六法全書」を開くと、
というのが見つかった。親殺しは極めて不遜な行為なので並みの人殺しよりは重罪というわけ。しかし1995年の刑法改正の時にこの条項は削除された。以前紹介した小泉喜美子「弁護側の証人」の時代には、まだこの条項が生きていた。その他にあるかと探すと、
刑法77条 内乱罪(当時の表記は叛乱罪)
首魁は死刑、無期懲役
というのがあった。まあ、クーデターの首謀者は重い罪で当然かなと思った。不覚な話だが、そのもう少し先を読み落としていたことに最近気づいた。
刑法81条 外患誘致罪 、法定刑は死刑のみ
有罪となったら死刑が確定するわけだ。これが一番重い刑のようだ。
外国と共謀して日本国を攻撃した場合の罪と、この記事にある。これまで、実際にこの罪状で有罪になった人はいないようだが。刑法の成立した明治時代、もちろんICTもインターネットのサイバー攻撃も存在しない。今月の「世界デジタル・サミット」であるパネラーが、「この20年間で戦争のやり方が変わった。実際にミサイルを撃つにはためらいもあるものだが、サイバー攻撃はそういう抑止力は働きにくい」と言って、今の日本は冷戦時代より危険だと警告していた。