Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

元総理暗殺事件の裁判員裁判

 安倍元総理の暗殺事件、旧統一教会との関連が出て来て政界にさざ波が立っている。公明党など正々堂々だが、選挙には「固い支持基盤」が重要。宗教団体はその有力候補になる。そこで立憲民主党蓮舫議員が「臨時国会の最大の争点は政治と宗教」とツイートすると、選挙中は物価対策・消費税下げと言っていたのになんだと非難が巻き起こった。

 

 他に国葬に賛成か反対かの議論もあるが、僕はこの記事が気になった。

 

山上徹也容疑者、異例の「死刑求刑」もあり得る…安倍氏銃撃事件、検察の腹の中(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2) (ismedia.jp)

 

 記事が「異例の」と言っている理由は、殺人事件で被害者が1人の場合は滅多に死刑判決は出ないという従来の裁判常識がある。金銭目的・計画的な、身代金誘拐殺人のようなケースのみ死刑判決が出ていると、別ブログで紹介した「死刑と正義」が書いている。

 

死刑判断は法律論にあらず - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 職業裁判官が下した判決は、3人以上殺せば94%が死刑、2人なら50~80%死刑だが、1人の場合はほとんどないとある。加えて、被告人の置かれた社会的に不遇な環境、心身耗弱や責任能力への疑問、身内の犯行(無理心中など)、未成年などの理由で減刑の可能性があると言っている。

 

    

 

 ただ、一般市民が量刑まで決める裁判員裁判になって、1人殺しても死刑判決が出てそれが増加傾向だとも言っている。事件の重大性、残虐性、社会的影響などを、職業裁判官よりも強く意識してのものらしい。

 

 今回の元総理暗殺事件も裁判員裁判で一審が行われるとすると、裁判員はどういう基準で死刑か無期懲役かを判断するのだろうか?犯行の有無(証明)は完璧だし、計画的で銃器を使うなど凶悪な犯罪だ。社会的影響も大きい。だから、検察側としては何か特別な理由が無ければ「死刑求刑」は当然だろう。

 

 一方で、一部社会では容疑者はヒーローでもある。死刑判決でも出れば「殉教者」になりかねない。判決によっては、政治的な分断リスクも抱えてしまう。本件の裁判員は大変だろうから、奈良県民でない僕が当たることはないとほっとしている。

 

 とりあえず検察は容疑者を4ヵ月の「鑑定留置」にしました。責任能力のなさが示されれば「無期求刑」も可能だからでしょうか。